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情報:農業と環境 No.79 (2006.11)
独立行政法人農業環境技術研究所

NIAES国際シンポジウム2006:「モンスーンアジアにおける持続的農業のための農業資源の評価と有効利用 −国際研究協力に向けて−」 (12月12−14日)

人間生存の基盤は、安定した食料生産とそれを担う健全な農業生態系にあると言ってもよいでしょう。水田を共通の食料生産基盤とするモンスーンアジア各国では、水田をとり巻く、生物多様性の豊かな農業生態系に恵まれています。しかし、近年経済発展の著しいアジア各国では、都市化・工業化により環境が激変し、さらに地球温暖化、有害化学物質汚染、外来生物などにより、健全な農業生態系の崩壊が危惧されています。

そこで、アジア各国の研究者が一堂に会し、環境変動が農業生態系を構成する農業資源へ及ぼす影響や、安全で持続的な食料生産のために、どのような研究を進める必要があるのかについて論議と情報交換を行い、このことを通して、研究の深化と政策への反映および国際的な枠組み形成への貢献を図るために、今回NIAES国際シンポジウムを開催する運びとなりました。

この国際シンポジウムでは、モンスーンアジアの農業環境に関わる主要な課題について総合的なシンポジウムを開催するとともに、国際研究協力が不可欠な外来植物や組換え作物の環境リスク評価、温暖化と関連した食料変動予測および農業生態系からの温室効果ガスの評価に関する4つの国際ワークショップを開催して、共同研究の推進と協力体制の強化を図ることを目的としています。

開催日: 2006年12月12日(火) − 14日(木)

開催場所: エポカルつくば (つくば国際会議場) (茨城県つくば市竹園2−20−3)

参加登録:
参加を希望する方は、次の特設ウェブサイトで参加登録をしてください。
参加費は無料です。

NIAES国際シンポジウム2006 (http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/sympo/h18/20061212/niaes-sympo_com/japanese.html) (リンク先を修正しました。2014年10月)

NIAES International Symposium 2006 (http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/sympo/h18/20061212/niaes-sympo_com/) (リンク先を修正しました。2014年10月) (English)

NIAES国際シンポジウム2006の全体日程

・ 12月12日(火): シンポジウム

・ 12月13日(水)−14日(木): ワークショップおよび総合討議

主催: (独)農業環境技術研究所、後援:農林水産技術会議事務局

参加予定国・機関: アジア・太平洋諸国、国際研究機関等

問い合せ先: 研究コーディネータ 齋藤 雅典

Tel: 029-838-8300、Fax: 029-838-8300、Email: msaito@affrc.go.jp

シンポジウム

12月12日、10:00〜17:00 (同時通訳あり)

1. 開会挨拶:

2. 講演:

1) アジアにおける農業環境研究コンソーシアムの意義と今後

佐藤洋平 理事長 (農業環境技術研究所)

2) モンスーンアジアにおける環境と持続的農業

田中耕司 教授 (京都大学)

3) アジアにおける稲作研究と食料・環境安全保障

Robert S. Zeigler 所長 (IRRI, Philippine)

4) 東南アジアにおける持続的稲作と環境研究の課題

Shu Fukai 教授 (University of Queensland, Australia)

5) 東・東南アジアの農業生態系における窒素循環

波多野隆介 教授 (北海道大学)

6) 地球温暖化とアジア地域における外来植物の侵入

Kathir RM. Kathiresan 教授 (Annamalai University, India)

3. 討議:

4. 閉会挨拶:

ワークショップ

12月13日(水) − 14日(木)

1.アジアにおける侵略的外来植物の実態と制御: 12月13日(水)

世界的な物流と人的交流の拡大とともに、アジア・太平洋地域においても侵略的外来植物による経済的、生態的被害が著しく増大しています。国内では、昨年6月に施行された外来生物被害防止法のもとに、生態系、健康および農業に被害を及ぼす外来生物の特定と取り扱い規制対策が環境省と農水省を中心に進められています。本ワークショップでは、国内の外来種に関わる施策や実状と現行プロジェクト「外来植物のリスク評価と蔓延防止策」の研究成果を踏まえて、アジア各国に共通するこの問題の解決のために、侵入植物に関わる現状や環境影響評価について論議を深めるとともに、その動態把握や変動予測および蔓延防止策や経済被害軽減策の確立に向けた情報の共有化と国際ネットワークの形成を目的とします。

2.遺伝子組換え作物からの遺伝子流動とリスク評価: 12月14日(木)

組換え作物(GM作物)の花粉飛散による近縁植物との交雑は、カルタヘナ議定書に定める生物多様性影響の評価だけではなく、同種作物との交雑により生じた交雑種子の混入などが問題となるGM作物と非GM作物との共存のあり方にも深く関わっています。本ワークショップでは、アジアに共通して重要なイネとダイズを中心に、GM作物の遺伝子流動に関わる研究の現状とその生態影響や共存に関わるリスク評価について論議し、今後のアジア地域を中心とする国際ネットワークの形成を図ろうとするものです。

3.温暖化による東・東南アジアのコメ生産変動予測: 12月13日(水)・14日(木)

温暖化や土地改変など地球規模の環境変動による東・東南アジアの食料、とくにコメ生産への影響、さらに日本の食料需給への影響が大きく懸念されている.本ワークショップでは、プロジェクト研究「地球規模の環境変動に伴う食料変動予測に関する技術開発(平成17年度終了)」の成果をもとに、気候変化シナリオ、温暖化時の水資源や土壌環境、社会経済分野への影響などの視点から討議します。また、本研究プロジェクトを通じた国際協力体制を、平成18年度から開始したプロジェクト研究「気候変動に対する水田生態系応答モデルの構築とコメ生産のリスク評価」の中で継承し、その意義や研究体制、具体的連携・協力の方法について論議し、モンスーンアジア地域におけるコメ生産変動予測に関する国際研究の推進と協力体制の強化を図ろうとするものです。

4.モンスーンアジアの農業生態系からの温室効果ガス:放出量と削減策の評価: 12月13日(水)・14日(木)

アジア地域における農業生態系からの温室効果ガス放出量とその削減方策に関する研究成果の整理と発信、そして国際研究ネットワーク構築を図る目的で、平成18年3月にアジア各国の研究者を招へいして国際ワークショップ「モンスーンアジア農業生態系における温室効果ガス発生」に開催しました。ここでは、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)における各国での温室効果ガスインベントリー作成への連携や地球圏-生物圏国際協同研究計画(IGBP)等、国際共同研究プログラムへの貢献のあり方を検討し、モンスーンアジア域での農業生態系からの温室効果ガス放出量とその削減策の評価を目的とする計画(Monsoon Asia Agricultural Greenhouse Gas Emissions, MAGES)の立ち上げを呼びかけたところです。本ワークショップでは、今後数年間に必要なMAGESの研究活動とそのための実行方策を論議し、研究計画書のアウトラインを作成することを目的としています。

総合討議: 12月14日(木)

シンポジウム・ワークショップを踏まえて、アジア地域における農業環境に関わる研究について、今後の国際協力の方向性について総合討議を行います。

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