農業環境技術研究所は、昨年末(2006年12月28日)、2006年 農業環境を巡る十大ニュース を選定し、Webサイトにおいて公表しました。
選定された2006年十大ニュースは次のとおりです。
● コーデックス委員会総会でカドミウムの国際基準決定
● 農産物の残留農薬に関するポジティブリスト制度施行
● 「湖沼水質のための流域対策の基本的考え方〜非特定汚染源からの負荷対策〜」 を取りまとめ
● 国産陸域観測技術衛星ALOS (愛称 「だいち」 ) 打ち上げ(JAXA)
● 今年もまた高温だった
● 今年も世界各地で異常気象が頻発し、主要穀物の生産量が減少
● ナイロビで第2回京都議定書締約国会合開催
● 特定外来生物 「セイヨウオオマルハナバチ」 規制開始
● GMO作物の栽培面積は前年度比11%増
● NIAES国際シンポジウム開催
なお、「今年もまた高温だった」 に関しては、本年1月に気象庁が発表した 「2006年(平成18年)の天候」 によると、年平均気温は全国的に高く、平年を0.5度程度上回ったところが多く、西日本の一部では平年を1度以上上回っていました。「GMO作物の栽培面積は前年度比11%増」 については、本年1月になって ISAAA(国際アグリバイオ事業団) から、最新の報告書: Global Status of Commercialized Biotech/GM Crops: 2006 が公表されました。これによると、2006年の組換え作物の世界の栽培面積は前年比で13%増加し1億ヘクタールを超えています。
上記の十大ニュースには選定されなかった重要ニュースの一部を、以下にご紹介します。
○ マイナー作物(地域特産農産物)における農薬使用暫定措置が終了 (7月)
○ WHO(世界保健機関)がマラリア制圧のためのDDT散布を勧告 (9月)
○ カンキツグリ−ニング病など外来生物の分布拡大による作物被害が増加
○ エルニーニョが4年ぶりに発生 (11月)
○ N2O (亜酸化窒素)など農耕地からの温室効果ガス発生量の推定値が精緻化
○ 南極のオゾンホールが過去10年間で最大規模に拡大 (9月)
○ 陸上植物が温室効果ガスであるメタンを生成・放出しているとする衝撃的な論文が発表 (1月)
○ 有機農業推進法案が成立 (12月)
○ 野生生物による農作物被害が拡大、クマが里に大量出没
○ 遺伝子組換え作物の栽培を都道府県などが独自に規制する動きが進んだ
○ 残留基準値を超えるヘプタクロル(約30年前に禁止された土壌残留性農薬)が国産カボチャから検出 (9月)