2007年3月12日、豊橋技術科学大学において、公開シンポジウム 「未来型農業都市社会と食農産業クラスターの構築に向けて」 が開催されました。
公開シンポジウム (3月12日 技術講演)
豊橋技術科学大学 と 農業環境技術研究所 は、2006年9月に 連携推進協定 を結びました。このシンポジウムは、2006年10月に豊橋技術科学大学が先端農業・バイオリサーチセンターを設置したことを記念し、農業と技術科学の融合による新しい研究と技術開発の推進をめざして、豊橋技術科学大学と農業環境技術研究所が共催したものです。当日は、大学、研究所、愛知県、民間企業などから百数十名が参加しました。
シンポジウムのプログラムは下記のとおりで、各分野の専門家や企業から、研究開発の状況報告と提案があり、会場の参加者を交えてディスカッションが行われました。
公開シンポジウムのプログラム
学長あいさつ
西永 頌 (豊橋技術科学大学)
理事長あいさつ
佐藤 洋平 (農業環境技術研究所)
先端農業・バイオリサーチセンターについて
平石 明 (豊橋技術科学大学)
技術講演
1. 農法と知財:コミュニティベース精密農業の新展開
澁澤 栄 (東京農工大学)
2. 農業環境における化学物質のリスク管理
上路 雅子 (農業環境技術研究所)
3. 農業生態系の資源・環境を見守る空間情報技術-リモートセンシング・GIS
井上 吉雄 (農業環境技術研究所)
4. 農業・畜産分野へのスマートマイクロチップの展開
澤田 和明 (豊橋技術科学大学)
5. 分光画像による食品分析
中内 茂樹 (豊橋技術科学大学)
6. 農業におけるゲノム情報の応用
南澤 究 (東北大学)
7. 弊社の取り組みと先端技術に期待するもの
石黒 功 (イシグロ農材株式会社)
閉会あいさつ
小林 俊郎 (豊橋技術科学大学)
また、シンポジウム翌日の3月13日には、豊橋技術科学大学から6名、農業環境技術研究所から8名の研究者が参加して、相互の研究協力を推進すべき研究・開発シーズについての情報交換を行いました。
意見交換会 (3月13日)
豊橋技術科学大学からは、「モデル生物(線虫、酵母)を用いた土壌や水の有害性評価手法の開発」、「水系および土壌環境の修復と保全のための微生物生態系の理解と活用」、「リスク評価のための日本版インデックスの作成、懸濁態リンの動態、農耕地からの面源負荷原単位の見直し」の3つの研究が紹介されました。
一方、農業環境技術研究所からは、「農業環境を計測する−イネの蒸散、温室効果ガス、農耕地周辺の野生動物の位置を測る」、「硝酸性窒素およびリンによる汚染に対する環境脆弱性評価」、「土壌、昆虫、微生物等の農業環境インベントリーとリスク評価」の3つの研究が紹介され、これらの研究開発分野における連携協力の可能性について、熱心な論議が行われました。