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情報:農業と環境 No.93 (2008.1)
独立行政法人農業環境技術研究所

農業環境技術研究所 「環境報告書2007」 を公表

農業環境技術研究所は、昨年2007年12月に「環境報告書2007」を公表しました。これまでに 「環境報告書2005」 および 「環境報告書2006」 が公表されており、この報告書は、本研究所の3冊目の公表になります。2006年度の実績を中心に、研究所における環境負荷低減の取り組み、および農業環境の安全性と持続性を追求する研究活動を報告しています。

今回の環境報告書2007では、「環境報告書ガイドライン(2007年度版)」 を参考として内容を見直し、「社会的取り組みの状況」 を新たな項目として追加するなど、報告書の構成や掲載内容を若干変更いたしました。また巻末には、生物多様性の関連項目として、「農業環境技術研究所の土壌生態系 −生物を育む土壌−」 を紹介しています。

以下に、報告書冒頭の理事長の「ごあいさつ」と報告書の目次をご紹介します。

農業環境技術研究所 環境報告書2007 「ごあいさつ」

ごあいさつ

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次評価報告書の内容があいついで発表されました。なかでも、気候変動の実態と今後の見通しを自然科学的根拠に基づいて明らかにする第1作業部会報告が、地球の温暖化は確実に進んでいること、その原因は人間活動による温室効果ガスの排出増加にあることをほぼ断定したことは、これまでの数次の評価報告書よりも社会に大きな衝撃を与えるものでした。この第4次評価報告書は、リチャード・A・ベアー・ジュニアのいう「生命の網目」がほころびはじめ、地球そのものが「私たち、人間の欲望と、無分別な自然の搾取と、無責任な生産」(R.F.ナッシュ著、松野弘訳「自然の権利」、筑摩書房、1999年)に反発していることの証でもあるかのように、地球の姿を描き出し、予測しています。

地球温暖化の問題をはじめとして、今日、私たちは地球規模で生じている種々の課題や問題と無関係でいることはできない状況にあり、地球規模で考え行動する必要性がいろいろな局面で高まっています。農業部門においてもそれは例外ではありません。地球の温暖化が確実に進んでいるとすれば、農作物など農業生態系に与える影響はどうなるのであろうか。温暖化の原因が人間活動による温室効果ガスの排出増加であるならば、農業生産活動による温室効果ガスの排出はどうなのであろうか。こうした問題のみならず、外来生物や遺伝子組み換え生物の農業生態系への影響、さらには有害化学物質の農業生態系への影響など、農業環境をめぐる「未知のリスク」を解明するとともに、それらリスクを制御し管理する技術の開発が重要な課題となっています。

2006年度を開始年とする第II期中期計画における研究計画は、農業生産環境の安全性を確保するための基礎的な調査および研究に重点を置き、三つの大課題、すなわち、1)農業環境のリスクの評価および管理技術の開発、2)自然循環機能の発揮に向けた農業生態系の構造と機能の解明および管理技術の開発、3)農業生態系の機能の解明を支える基盤的研究、を掲げています。併せて、この研究計画を遂行するために、研究課題ごとにリサーチプロジェクト(RP)を設け、RPリーダーのリーダーシップのもとに、専門分野(研究領域・センター)を横断するようにして研究課題の達成に必要な人材を集め、高い水準の成果を上げるべく研究体制を整えています。

私たちは、業務遂行において依拠すべき基本理念を定め、そのもとに、環境研究の推進、法令遵守(じゅんしゅ)、技術移転、広報および情報の公開、協力・連携・国際貢献を行動指針とする行動憲章、さらに、環境への意識向上、環境への配慮、活動の公開、社会との共生を環境行動指針とする環境憲章を定め内外に公表して明示し、業務の効率的かつ効果的推進と併せて、コンプライアンスと環境に配慮した行動をとることを常に心がけています。

本報告書は、2006年度の1年間における私たち研究所における環境配慮の取り組みについて報告するとともに、併せて、研究活動および研究成果の一端、さらには地域および社会に対する貢献を記載するなど農業環境技術研究所の業務を紹介しています。私たちは、基本理念に掲げる自然、社会、人間の調和と共存を目指す高い水準の研究を推進し、世界の食料問題と環境問題の克服に貢献するという農業環境技術研究所の究極の目標に向けて邁進(まいしん)する所存です。みなさんには本報告書をご一読いただき、私たちの活動をご理解いただくとともに、みなさんから忌憚(きたん)のないご意見、ご提言などをいただくことができますれば幸いに存じます。

独立行政法人農業環境技術研究所 理事長 佐藤洋平

環境報告書2007 目次

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