農業生産者NPO 「田舎のヒロインわくわくネットワーク」と農業環境技術研究所との交流会が、2009年12月3日〜4日に農業環境技術研究所で開催されました。この交流会は、国民と研究者の双方向コミュニケーション活動の推進、社会・国民への研究活動の開示を目的として実施したものです。第1回 は2006年、第2回 は2007年に行われており、今回は3回目の開催です。
初日には、わくわくネットワークからの参加者に農業環境技術研究所の温室効果ガス発生制御施設、ミニ農村、農業環境インベントリー展示館を見学いただき、研究者が現場で試験研究や農業環境資源について説明をしました。
2日目にはネットワークと研究所からの参加者による意見交換会を開きました。ネットワーク側から提供された6つの話題には、各生産者に固有の問題提起や疑問が多く含まれましたが、それらは、外来生物、温暖化、農薬、有機農業、遺伝子組換え作物、害虫など、農業環境分野の研究と密接に関連する内容であったため、専門の研究者が回答し、有益な情報交換ができました。研究所側から提供した4つの話題に対しては、ネットワークの参加者から農業者の視点からさまざまな意見、質問をいただきました。
以下に、今回の交流会の概要を記します。
開催日時: 平成21年12月3日(木曜日) 13:30 〜 4日(金曜日) 12:00
場所: 農業環境技術研究所
参加者: 「田舎のヒロインわくわくネットワーク」18名、農業環境技術研究所 20名
プログラム
12月3日(木) 研究所紹介
研究紹介DVDの視聴
研究施設見学
ミニ農村見学、環境化学物質分析施設、インベントリー展示館ほか
ミニ講演
農業活動が支える里地里山の生物多様性(生物多様性研究領域 楠本良延)
農地のミミズとその役割(生物生態機能研究領域 金田 哲)
懇親会
12月4日(金) 交流会(中会議室)
あいさつ
農業環境技術研究所 佐藤理事長
田舎のヒロインわくわくネットワーク 山崎理事長
話題提供
・ 土壌中に蓄積する難溶性リンサンアルミニウムを可溶化して、植物の成長を促進するバクテリアについて解析する(奥山直輝 大地の会/東京)
・ 農産物としてのバイオエタノール(北本宏子 生物生態機能研究領域)
・ アンガス牛の特性を生かした環境による、牛の飼い方と牛肉生産と販売を考察する(内藤圭子 アンガス牛山地放牧による繁殖肥育業/北海道)
・ 緑肥(ヘアリーベッチやハッショウマメ)を導入して元気な農作物を作りませんか!−他感作用(アレロパシー)のしくみと農業への利用−(藤井義晴 生物多様性研究領域)
・ レモン栽培とレモン栄養健康調査のボランティアに参加して(長畠由佳 レモン・かんきつ類の栽培/広島県)
・ 地球の温暖化を梨栽培で感じること(杉野幸子 梨栽培・農産物加工業/千葉県)
・ イタヤカエデの樹液と里山の環境を考える(栗田キエ子 林業・ナメコ栽培・農家民宿業/山形県)
・ 温暖化でお米はどうなる(吉本真由美 大気環境研究領域)
写真 ミニ農村の見学
写真 環境化学物質分析施設の見学
写真 農業環境インベントリー展示館の見学
写真 意見交換会