平成22年3月19日、農業環境技術研究所において、平成21年度独立行政法人農業環境技術研究所評議会が開催されました。
この評議会では、農業環境技術研究所の平成21年度業務実績についての質疑を行いました。今後、平成21年度業務実績の評価結果をとりまとめ、研究所の運営の改善、調査・研究の効率化・重点化に反映することとしております。
以下に、今回の評議会の概要を紹介します。
評議員
[外部専門家・有識者] (五十音順、敬称略)
大沼 あゆみ 慶應義塾大学経済学部教授
○古在 豊樹 千葉大学 環境健康フィールド科学センター教授
三枝 正彦 豊橋技術科学大学 先端農業・バイオリサーチセンター特任教授
根本 久 埼玉県農林総合研究センター 水田農業研究所長
松永 和紀 サイエンスライター
山崎 洋子 NPO田舎のヒロインわくわくネットワーク理事長
[関係研究機関・行政機関] (敬称略)
西郷 正道 農林水産省大臣官房環境バイオマス政策課長(欠席)
大垣 眞一郎 独立行政法人国立環境研究所理事長
堀江 武 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構理事長(欠席)
鈴木 和夫 独立行政法人森林総合研究所理事長
高柳 和史 独立行政法人水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所長
○印:評議会委員長
1)評議会における評価方法について
平成21年度の業務実績評価の評価方法等を確認しました。
2)平成21年度の業務実績について
平成21年度の農業環境技術研究所の運営、研究成果、調査・研究の進捗(しんちょく)状況の説明及び質疑応答を行いました。今後、各評議員が書面評価を行い、それを集約し評議会としての評価結果をとりまとめることとしています。
(評議会での主な意見)
○農業環境研究機関として高いレベルの研究が行われ、一段と向上している。
○農耕地土壌の分類体系、昆虫や病原菌のインベントリー構築などでは、他機関との連携の下、国全体の取り組みを先導することで新たな飛躍を期待する。
○カドミ汚染浄化、活性炭タブレットなど、農業現場に関わる研究成果が多くあり、地域や社会に役立つことが期待される。技術を現場に適用するにはどうすればよいかを考え、新たな展開につなげることを期待する。
○Webマガジン「農業と環境」などで質の高い情報提供が行われ、3〜4年前からシンポジウムの質も向上している。広報活動は多く行われており、効果を検討しながら進めてほしい。
○研究部分の説明は、断片的になりがちであり、全体の流れの中での位置づけがわかりにくい。以前より改善されているがさらに工夫を期待。また、各RPの相互関係がわかるとよい。
○リスク評価、リスク低減の研究は現場で使われてこそ意味がある。中国など海外への技術移転も大事。コストベネフィット、コスト低減など技術を現場に移す手法も考えて研究を進めてほしい。
○コウノトリ育む農法では、新技術で鳥が戻り、米の付加価値と観光客増加で経済効果があった。ラフなものでもよいので、農環研の技術を採用した場合の効果や市場価格、その時のコストを示せるとよい。
○水田のメタン発生は重要な成果であり、グローバルリサーチアライアンスでの展開、開発途上国での活用が期待される。
○研究所は人間の多様性も大事。いろんな人が全体として社会に貢献すべき。農家の人へのフィードバックが必要。一方、農環研には、都市のためにやる研究があっても良い。