農業環境インベントリー研究会 〜土壌インベントリーの整備と有効利用のためのシステム〜 が、2月24日、つくば市のつくば国際会議場で開催されました。わが国の農地土壌を中心に、土壌分類、土壌標本、分布や特性など、土壌に関するさまざまな情報を収集・提供する「土壌インベントリー」について情報を交換し、その科学的あるいは社会的な意義を確認することを目的としました。
開催日時: 平成23年2月24日(木曜日) 13:00−17:00
開催場所: つくば国際会議場(エポカルつくば) 中会議室
主催: 独立行政法人 農業環境技術研究所
参加者: 91名
プログラム
開会あいさつ
農業環境技術研究所 理事長 佐藤 洋平
基調講演: 土壌情報の蓄積と有効利用
首都大学東京 小﨑 隆
講演
(司会 農業環境技術研究所 神山 和則)
I 部: 土壌情報に期待するもの
学術会議からの期待
豊橋技術科学大学 三枝 正彦
行政から望むこと
農林水産省生産局 羽石 洋平
II部: 土壌インベントリー研究の現状
包括的土壌分類体系 第1次試案 「分類の歴史、包括的土壌分類」
農業環境技術研究所 小原 洋
休憩・土壌インベントリー展示
土壌モノリス紹介(大倉利明)、データベース紹介(神山和則、高田裕介ら)
土壌情報閲覧システムの構築と利用
農業環境技術研究所 高田 裕介
III部: 土壌インベントリーの活用事例
土壌情報とモデルを利用した河川における農薬濃度の推定
農業環境技術研究所 稲生 圭哉
土壌情報とモデルを利用した農地の土壌炭素量変化の全国推定
農業環境技術研究所 白戸 康人
土壌情報を利用した作物生産力評価
株式会社ズコーシャ 丹羽 勝久
閉会あいさつ
農業環境技術研究所 理事 宮下 清貴
講演会場では、講演ごとに質疑があり、熱心な情報交換がされました。休憩時間には、「土壌モノリス」13点と「ジャイアントモノリス」2点がロビーに展示され、研究者から、さまざまな土壌についての説明がありました。また、パソコン2台を使って、「土壌情報閲覧システム」、「農業統計情報メッシュデータ閲覧システム」を紹介しました。
参加者からは、土壌情報閲覧システムで土壌の県別データを簡単に利用できるようにしてほしい、このような土壌インベントリーを中心とした研究会は少ないので今後も続けてほしいなど、多くの要望が出されました。
写真1 講演(つくば国際会議場・中会議室)のようす
写真2 土壌モノリスの展示と説明(つくば国際会議場・ロビー)
写真3 情報閲覧システムの実演(つくば国際会議場・ロビー)