農業環境技術研究所は、2011年3月に、「農作物の重金属 (カドミウム、ヒ素) 簡易分析マニュアル」 を公開しました。
この分析マニュアル集は、農作物中に含まれるカドミウムとヒ素を簡易に分析する手順を解説するもので、「イムノクロマトキットを利用した作物のCd濃度簡易測定手順書」および「ボルタンメトリーによるコメ、コムギ、ダイズ中重金属の簡易分析法」、そしてコメのカドミウムの 「簡易分析法の価格・分析時間の比較」 を収録しています。
ここでは、冊子の冒頭の 「本分析マニュアル集について」 を紹介します。
農作物の重金属 (カドミウム、ヒ素) 簡易分析マニュアル集
本分析マニュアル集について
本分析マニュアル集には、農業環境技術研究所が技術開発に関与した有害化学物質の分析法のうち、重金属の簡易分析のための作業マニュアルを収録しています。
項目1は、米および各種畑作物中のカドミウムをイムノクロマトアッセイ法により、簡易に分析する方法について述べています。主な利用者として、作物の生産現場や流通現場の技術者・指導者・事業者を想定しており、有害性が疑われる検体を抽出するスクリーニング分析への使用を念頭に置いています。
項目2は、米、麦、大豆中のカドミウムおよび米中のヒ素を、アノーディック・ストリッピング・ボルタンメトリーにより、簡易に分析する方法について述べています。主な利用者として、食物の生産現場や流通現場の技術者・指導者を想定しており、有害性が疑われる検体を抽出するスクリーニング分析への使用を念頭に置いています。
本分析マニュアル集では、それぞれの分析項目が独立した分析マニュアルとなっています。分析法の特徴にあった表現が重要と考え、記述法の統一は敢えて行っておりません。必要に応じて追加・改訂を行う予定です。
化学分析・モニタリングリサーチプロジェクト
プロジェクトリーダー 木方展治