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農業と環境 No.169 (2014年5月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

農環研研究職員に日本応用動物昆虫学会奨励賞

農業環境技術研究所 生物多様性研究領域の田端 純 主任研究員が、第14回(2014年度)日本応用動物昆虫学会奨励賞を受賞しました。

この賞は、「応用昆虫学および応用動物学の進歩に寄与するすぐれた研究をなし、将来の発展を期待しうる」40歳未満の会員を対象とするものです。2014年3月26日に高知大学で開催された第58回日本応用動物昆虫学会大会総会において、表彰式と受賞講演が行われました。

研究成果の概要は次のとおりです。

昆虫の性フェロモンの多様性と応用に関する研究

田端 純

(農業環境技術研究所)

多くの重要害虫を含むカイガラムシ類では性フェロモンによって雌雄が互いを認識し、交尾・繁殖を行います。これらの物質はたいへん微量で特殊な化学構造をしているため、研究が遅れていましたが、フジコナカイガラムシやマツモトコナカイガラムシの性フェロモン物質を丹念に単離・精製し、化合物の構造を決定することができました。また、これらの物質の合成法なども開発し、害虫の発生予察や交信かく乱法(大量の合成フェロモンをほ場内に放出させることで害虫の交尾を阻害して防除する方法)に活用できることも示しました。

この他にも、シロイチモジマダラメイガやナシマダラメイガをはじめとする多数の農業害虫の性フェロモン物質を同定するとともに、その構造や機能の多様性を解明して農業害虫管理に応用した研究の成果が評価されました。

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