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情報:農業と環境 No.15 2001.7.1
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No.15
・遺伝子組換え作物に関する海外情報
・New Phytologist 特集号:CO2増加と未来の生態系
・生物多様性に基づいた指標生物による景観の持続可能性評価
・本の紹介 44:日本土壌の有害金属汚染,浅見輝男著,
・本の紹介 45:持続可能な農業への道,大日本農会叢書3(2001)
・本の紹介 46:農学原論,祖田 修著,岩波書店(2000)
・本の紹介 47:
Ecological Data; Design, Management and Processing,
・本の紹介 48:化学物質と生態毒性,若林明子著,産業環境管理協会,
・本の紹介 49:Soils and Environmental Quality,
遺伝子組換え作物に関する問題は、環境影響、規則・制度、国際条約、表示、知的所有権、倫理、生物多様性など広範囲にわたる。また、これらの問題については、専門家や研究者ばかりでなく一般市民まで関心も高く、さらに、問題に対する受け止め方は、それぞれの国によって異なる。このため、遺伝子組換え作物の環境問題を正しく把握するためには、これらの遺伝子組換え作物に関するさまざまな問題と各国のこれに対する受け止め方の現状を理解しておく必要がある。
抜粋・整理にあたっては、海外農業情報の記事から必要な個所を抽出した。環境影響の研究を行う上で重要と思われる内容は詳しく、それ以外の記事については要点のみを掲載した。このため、本来のニュアンスと異なることもあるので、詳細は農林水産省の「海外農業情報」で確認していただきたい。
表題とそのスタイルは「海外農業情報」と同一にしてある。例えば、「米国、010315、スターリンクを巡る最近の動向」では、米国は発信した国名、数字は記事の日付[最初の2桁は西暦(下2桁)、次の2桁は月、最後の2桁は日を示す]、そして元の記事の表題を記載してある。
なお、各国の遺伝子組換え作物に関する制度・規則ならびに国際条約・協定等について、補足資料を付けた。
New Phytologist 特集号:CO2増加と未来の生態系
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New Phytologist は、植物科学を広くカバーする国際的な学術誌で、今年は創刊百年を迎える。この5月に発行された同誌150巻2号は、”Rising CO2- future ecosystems(CO2増加と未来の生態系)”と題した特集号である。主にFACE(開放系大気CO2増加)実験の研究成果を掲載している。表紙は、岩手山を背景とした岩手県雫石町の水田風景で、手前に農業環境技術研究所と東北農業試験場(現在:東北農業研究センター)が協力して設置したFACE実験装置が見えている。
1996年度から2000年度まで、農業環境技術研究所は東北農試などと共同で、科学技術振興事業団戦略的基礎研究予算にて、Rice FACE(ライスフェイス)プロジェクト:正式名称「CO2倍増時の生態系のFACE実験とモデリング」(研究代表者:当所の小林和彦)を実施した。FACEは,Free-Air CO2 Enrichment の略で、屋外の実験区のCO2を吹き出して植生の周囲のCO2濃度を高め、植物の生長や生態系の働きがどのように変化するかを解明するための実験手法である。植生のまわりを何も囲わずにCO2濃度を高めることができるので、人工物がほとんど無い状態での実験データが得られる。
Rice FACEプロジェクトでは、最終年の2000年6月末に,つくばで「FACE2000国際会議」を開催した。この New Phytologist 特集号は、同国際会議での発表をもとに、FACEおよび関連研究成果を掲載したものである。当所に関連する Rice FACEプロジェクトからも下記4編が掲載された。
Kim, H.Y., M. Lieffering, S. Miura, K. Kobayashi & M. Okada. Growth and nitrogen uptake of CO2-enriched rice under field conditions. P. 223-229.
Koizumi, H., T. Kibe, S. Mariko, T. Ohtsuka, T. Nakadai, W. Mo, H. Toda, S. Nishimura & K. Kobayashi. Effect of free-air CO2 enrichment (FACE) on CO2 exchange at the flood-water surface in a rice paddy field. P. 231-239.
Sakai, H., K. Yagi, K. Kobayashi & S. Kawashima. Rice carbon balance under elevated CO2. P. 241-249.
Okada, M., M. Lieffering, H. Nakamura, M. Yoshimoto, H.Y. Kim & K. Kobayashi. Free-air CO2 enrichment (FACE) using pure CO2 injection: system description. P. 251-260.
FACE実験では、CO2濃度上昇によりイネの生長が盛んになり収量が増えたが、窒素施肥量が少ないと収量増加率が小さかった。上記 Kim らの論文は、この現象を、イネの生長と窒素吸収量に基づいて解析したものである。一方 Koizumi らの論文は、高CO2濃度がイネだけでなくウキクサ等の生長を促進し、その結果田面水表面を通してのCO2 交換が変化することを、FACE実験での実測によって示した。Rice FACEプロジェクトの研究成果としては、独自設計のFACE装置の開発も挙げられる。従来のFACE装置は、CO2濃度を高めた空気を送風機で大量に吹き出す結果、ほ場の微気象が変化し、それが植物の生長にまで影響するが、上記 Okada らの論文で発表されたRice FACE装置は、送風機を使わずに純粋なCO2を直接吹き出すため、微気象への影響が少ない。この方式は、イタリアの F. Miglietta らがさらに改良を加えて、ポプラのFACE実験(Miglietta ら本特集号, P. 465-476)や、アメリカでのダイズのFACE実験に用いられている。
ところでCO2増加の影響を解明するための実験方法は、FACEだけではない。上記 Sakai らの論文は、Rice FACEプロジェクトの成果のうち、農業環境技術研究所のクライマトロン・チャンバーを用いて、イネ群落の光合成と呼吸に及ぼす高CO2濃度の影響を、連続的に計測・解析したものである。言うまでもなく、FACEは研究手法であって目的ではない。FACE以外の実験方法を組み合わせることにより、大気CO2増加が植物の生長と生態系に及ぼす影響の全貌を、より良く理解できる。
以上、Rice FACEプロジェクトの研究成果を紹介したが、本特集号には他にアメリカ・アリゾナ州でのソルガムやコムギのFACE、牧草を対象としたスイスやニュージーランドのFACE、アメリカ・ミネソタ州での多種類の植物種を対象としたFACE、アメリカ・ネバダ砂漠の自然植生のFACE、またヨーロッパの湿原でのFACEなど、さまざまな生態系での実験結果が報告されており、現在までのFACE実験の世界的な広がりを実感させる。なお、FACEはCO2増加に関するほ場実験であり、その結果は当然、実験場所の気象や土壌など局所的な条件に左右されるため,より一般的な推論のために、実験結果を用いたプロセス・モデリングが欠かせない。本特集号には、モデリングの論文が2編掲載されている。いずれもコムギを対象としたものだが、一つはアメリカのFACE実験、もうひとつはヨーロッパのチャンバー実験結果を用いたものである。イネについては、Rice FACE実験結果を用いたモデリングが農業環境技術研究所と国内外の研究機関が協力して,現在進められている。
今回の New Phytologist 特集号への掲載論文は、Rice FACEプロジェクトの成果のいわば第一陣である。Rice FACE実験では多種多様のデータがとられており、それらの一部は論文として掲載され、あるいは投稿されつつあるが、なお解析を待つデータも多い。今後,Rice FACEプロジェクトで立ち上げた、CO2増加の影響の実験的研究へのモーメントを維持発展させることが必要であり、中国やインドでのFACE研究の展開を図る必要がある。
生物多様性に基づいた指標生物による景観の持続可能性評価
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Using bioindicators based on biodiversity to assess landscape sustainability
Maurizio G. Paolett, Agriculture, Ecosystems and Environment 74: 1-18 (1999)
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農業環境技術研究所は,農業生態系における生物群集の構造と機能を明らかにして生態系機能を十分に発揮させるとともに,侵入・導入生物の生態系への影響を解明することによって,生態系のかく乱防止,生物多様性の保全など生物環境の安全を図っていくことを重要な目的の1つとしている。このため,農業生態系における生物環境の安全に関係する最新の文献情報を収集しているが,その一部を紹介する。
指標生物の利用は、汚染、多投入型農法、廃棄物の不適切な処理など、誤った環境管理を評価する革新的な手法である。この手法は、対象とする環境で進行中の状態を評価する道具として、生物種と生物多様性を利用する。指標生物に基づく研究では、実験室での仕事以外に、少数または限定された数の生物群の野外調査が重要である。サンプリング、統計解析、種の同定が研究の大部分を占めており、研究対象とする生物や景観(ランドスケープ)の生物学的・生態学的な基本特性についての知識が必要とされる。画像や同時アクセス機能を提供する開放型データベースにより、現在の手順書、図書、図表に頼っている同定や解析の手順が改善されると期待される。
指標生物による研究は、異なった農業の体系、資材投入や耕うんなどの作業、新しい作物の導入、輪作などを最適化することに大きく貢献し、景観の管理(都市部や工業地域では景観の再生や改変)を左右する政策の立案にも関与しうるだろう。
特に、環境汚染の軽減や多投入型農法の改善を目的とする法律は、指標生物を利用して評価される環境便益を考慮しなければならない。また、新たな遺伝子組換え作物の評価においては、価値としての生物多様性と環境影響についての判断を助ける道具としての指標生物とを考慮する必要がある。
本論文においては、次のような項目・内容が概説されている。
1.序文
2.種の多さと指標生物
3.生物多様性とは何か、景観の評価にどのように利用できるか
4.指標生物とは何か、どのように使われるか
5.持続可能性とは何か
6.景観と景観構造の区別
7.辺縁部の効果(生け垣、防風林、細長い草地)
8.景観の中の生物回廊
9.景観の中のモザイクの効果
10.多年生作物と一年生作物
11.汚染の影響
12.廃棄物の処理、埋め立て、環境修復
13.土壌の耕うんと土壌の圧縮
14.バイオテクノロジー:遺伝子組換え植物
15.指標生物による影響評価の実際の手順
16.環境影響の軽減
17.結語
本の紹介 44:日本土壌の有害金属汚染
浅見輝男著,アグネ技術センター
(2001) 7000円 ISBN4-900041-89-0
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われわれが生活している近代文明は,大量の金属に依存しなければ成立しない。歴史をふりかえってみても,人類の発展と金属の使用量との間にはきわめて深いかかわりあいが認められる。銅はすでに紀元6000年前に,鉛は紀元5000年前に,亜鉛や水銀は紀元500年前にひとびとによって使われていた。堆積物,極の氷のコアや泥炭に含まれる重金属の分析から環境へのインパクトが歴史的にも明らかになっている。19世紀の産業革命以後,重金属は近代社会にとって不可欠なものになってきた。
これらの重金属は,地殻から発掘され地球上のあらゆるところにばらまかれていく。有害金属の汚染である。本書は,カドミウム,銅,ヒ素による土壌汚染の法令や国の調査について紹介し,基準値決定の経緯をまとめ,批判を展開する。主題である土壌と米のカドミウム汚染問題について詳述するほか,ベリリウム,クロム,ヒ素,モリブデン,銀,インジウム,アンチモン,ビスマス,テルル,水銀,タリウムによる土壌汚染についても各地の詳細なデータをもとに解説する。図表の総数は260枚に及ぶ。
著者は,「はじめに」で次のように述べ,農業にとって「日本の土壌の有害金属汚染」問題の重要性を強調する。「農業・農学の目的は人々に安全で十分な食料とその他の生物資源を供給することにある。そのためには環境が保全されなければならない。食料や生物資源の生産を阻害する要因は色々あるが、その中の重要なものに有害金属による環境汚染がある。有害金属のなかには、カドミウムのように植物の生育が阻害されない濃度レベルで、人を含む動物に有害となる金属もある。従って、有害金属による環境汚染問題は農業・農学にとって、避けて通ることの出来ない課題である。もちろん、農業の工業化による農業自体の環境破壊も問題になってはいるが、さらに最近では農業・農村の社会的・文化的役割にも注目が集まっている。
近代日本における農用地などの有害金属汚染は足尾銅山による鉱害を嚆矢とすると言われているが、日本における非鉄鉱山開発の歴史は、後の汚染地各論で述べるように非常に古い。鉱害の歴史は1000年以上にも達するものと考えられる。この辺の様子は畑明郎著「金属産業の技術と公害 411頁」(1997,アグネ技術センター)に述べられている。
日本の近代化は、明治維新とともに始まり、主要な金属鉱山、炭鉱、製鉄所はほとんど国有化されたが、経営に行き詰まり、製鉄所を除きその後、すべて民間経営となった。古河は足尾銅山を、藤田組は小坂鉱山を、久原は日立鉱山を、三菱は佐渡と生野鉱山を、三井は神岡鉱山と三池炭鉱を、住友は別子銅山を入手して、6大鉱業資本は一途に財閥形成の道を辿った。とりわけ、「銅は国家なり」と豪語し、主要な輸出産業であった銅鉱業は、足尾・別子・小坂・日立の4大銅山を中心に繁栄した。4大銅山の繁栄は、一方で4大銅山鉱毒・煙害事件をもたらした。上記の本の冒頭で、畑はこのように述べている。
このように鉱山は古くから問題にされてきたが、1960年代の高度経済成長政策の中で一気に各種公害が表面化し、カドミウムなどの有害金属公害も社会の注目を引き、1970年のいわゆる公害国会で、土壌汚染も公害基本法に組み込まれた。その後、有害金属による土壌−植物系の汚染と対策についての調査研究は大学農学部、農業研究所、農業試験場などで行われ、多くの成果を上げた。しかし、汚染水田土壌の修復方法が一応確立し、修復工事が始まると、「重金属公害は終わった」との政府・財界の掛け声がマスコミに登場し、それと共に研究費も打ち切られ、日本土壌肥料学会における有害金属汚染に関する研究発表は激減した。水田土壌以外の畑土壌、森林土壌、都市土壌はほとんど手つかずであるにもかかわらず、である。
しかし、本文中でも述べるように、最近FAO/WHOを中心にしてカドミウム、鉛など有害金属の食品中における耐容濃度のガイドライン値を策定しようとの動きが活発になり、有害金属汚染問題は再び日の目を見ようとしている。また、ダイオキシンなど人口有害有機物の汚染が大きな問題になっている。」。
目次は,次の通りである。
第1部 有害金属の生産・輸入と消費および土壌汚染
第1章 地殻と土壌における各種元素の存在量
第2章 日本における各種有害金属の生産・輸入と消費
第3章 世界土壌の有害金属汚染
第4章 ドイツ、スイスの土壌およびドイツの食品中金属元素等の基準値
第2部 カドミウム、亜鉛、鉛、銅による土壌−植物系の汚染
第1章 カドミウム、亜鉛、鉛、銅の生産・輸入、消費・輸出および非汚染土壌中濃度
第2章 土壌汚染防止法の制定とその仕組み
第1節 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律
第2節 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律施行令
第3節 特定有害物質の量の検定方法についての省令等
第4節 当時の農林省の考え方
第5節 立毛方式とロット方式の問題点
第6節 土壌中亜鉛濃度の管理基準
第3章 土壌汚染調査
第1節 概況調査
第2節 細密調査
第3節 対策地域調査
第4章 カドミウム等有害金属汚染地の状況
第1節 神岡鉱山(神通川流域)
第2節 生野鉱山(市川・円山川流域)
第3節 対州鉱山(佐須川・椎根川流域)
第4節 尾小屋鉱山(梯川流域)
第5節 小坂鉱山
第6節 足尾銅山(渡良瀬川流域)
第7節 安中製錬所(碓氷川流域)
第8節 日曹金属会津製錬所
第9節 その他の地域
第5章 カドミウム、亜鉛、鉛、銅の水田土壌中における挙動
第1節 汚染潅漑水中カドミウム等重金属の水田土壌への集積
第2節 土壌構成分へのカドミウム等重金属の吸着
第3節 汚染された酸化状態土壌からのカドミウム等金属の溶出
第4節 水田土壌の酸化還元電位の変化にともなうカドミウムの溶解性変化
第5節 水田土壌中におけるカドミウム、亜鉛、鉛、銅の分画
第6章 水稲によるカドミウムの吸収
第1節 水稲によるカドミウム吸収の機構
第2節 水稲の各種器官中カドミウム濃度と収量との関係
第3節 水稲のカドミウム吸収と移行に及ぼす亜鉛とマンガンの影響
第4節 水稲によるカドミウム等重金属吸収と土壌の酸化還元電位
第7章 カドミウム汚染水田土壌の修復
第1節 難溶化によるカドミウムの吸収抑制
第2節 カドミウム除去によるカドミウムの吸収抑制
第8章 カドミウム中毒−イタイイタイ病と腎障害−
第9章 土壌と作物中におけるカドミウム濃度と人間健康
第1節 コーデックス部会によるカドミウム国際安全基準作成の状況
第2節 日本のカドミウム基準値を決めた方法
第3節 農用地土壌汚染対策地域の指定要件決定の経緯
第4節 WHOと能川らの報告に基づく米中カドミウム許容濃度の算出
第5節 世界と日本における非汚染米と非汚染土壌中カドミウム濃度
第6節 カドミウムを0.4r/sADW以上含む玄米が配給されない根拠
第7節 日本人のカドミウム摂取量と蓄積量
第10章 コーデックス部会による食品中鉛の最大許容基準値案
第1節 コーデックス部会(CCFAC)による食品中鉛の最大許容基準値(ML)案
第2節 JECFAによる鉛の許容摂取量と日本人の鉛摂取量
第3節 日本の食品中鉛濃度
第3部 各種有害金属による土壌−植物系の汚染
第1章 ベリリウム
第1節 ベリリウムの性質、生産と利用
第2節 非汚染の土壌、底質、植物中ベリリウム濃度
第3節 日本におけるベリリウム汚染
第4節 ベリリウムによる人体被害
第2章 クロム
第1節 クロムの性質
第2節 クロムの生産・輸入と消費
第3節 クロム鉱滓の排出
第4節 市川市儀兵衛新田におけるクロム汚染
第5節 東京都におけるクロム汚染
第3章 ヒ素
第4章 モリブデン
第1節 モリブデンの生産・輸入と消費
第2節 非汚染土壌等のモリブデン濃度
第3節 小馬木鉱山
第5章 銀
第6章 インジウム
第1節 インジウムの生産・輸入と消費
第2節 非汚染土壌等のインジウム濃度
第3節 重金属汚染土壌のインジウム濃度
第7章 アンチモン、ビスマス
第1節 アンチモン、ビスマスの生産・輸入と消費・輸出
第2節 非汚染土壌等のアンチモン、ビスマス濃度
第3節 重金属汚染土壌のアンチモン、ビスマス濃度
第4節 鉱山・製錬所および有害金属取扱工場周辺土壌等のアンチモン、ビスマス汚染
第8章 テルル
第9章 水銀
第1節 水銀の生産・輸入と消費・輸出
第2節 非汚染土壌等の水銀濃度
第3節 土壌・植物の水銀汚染
第10章 タリウム
第1節 タリウムの生産と消費
第2節 外国におけるタリウムによる環境汚染と被害発生の例
第3節 非汚染土壌等のタリウム濃度
第4節 日本におけるタリウム汚染
第5節 幼植物の生長・タリウム濃度に及ぼす水耕液中タリウムの影響
第6節 コマツナの生長・タリウム濃度に及ぼす土壌中タリウムの影響
第4部 道路脇粉塵からみた都市の有害金属汚染
第1章 道路脇粉塵を分析する理由
第2章 東京都区部
第3章 大阪市および周辺都市
第4章 京都市および周辺都市
第5章 有害金属濃度の都市別比較
第1節 各市町の特徴および試料採取
第2節 道路脇粉塵中有害金属濃度の比較
参考資料 分析方法
本の紹介 45:持続可能な農業への道
大日本農会叢書3,大日本農会 (2001) 1500円
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持続性(Sustainability)という言葉の定義と,その言葉に含まれている問題点を総括的に指摘したのは,環境と開発に関する世界委員会報告「地球の未来を守るために」である。そこでは,持続的開発の概念を提示し,人間活動のあらゆる面において,世界のひとびとが協力の輪を広げてそれを真剣に追求することを求めている。
わが国でも,農業の持続的発展を図っていくことが今後の農政の重要課題の一つに位置付けられている。そのための法整備や新たな農業生産方式等の開発と普及,さらには,これらが定着するための諸施策が講じられている。この問題は,緊急に取り組まれるべき課題である。しかし,新技術を現場で普及させ,これを定着させるためには,まだまだ解決すべき課題がたくさん残されている。この問題は,官民あげて長期的視点から着実に取り組む必要がある。
大日本農会では,環境と調和した持続的な農業の確立を目指して環境保全型農業研究会を設置して,この問題を検討している。その検討結果の一部がこの書で紹介される。目次は,以下の通りである。
はじめに
1.環境保全型農業研究会について・・・・・・・・・・・・・山 極 榮 司
2.環境保全型農業とは何か・・・・・・・・・・・・・・・・熊 澤 喜久雄
3.環境保全型農業推進の経緯と現状・・・・・・・・・・・・伊 藤 洋
4.環境保全型農業の技術研究の現状と課題・・・・・・・・・西 尾 道 徳
5.各分野における現状と問題点
(1)環境保全型農業と施肥・・・・・・・・・・・・・・・熊 澤 喜久雄
(2)環境保全型農業と病害虫防除・・・・・・・・・・・・管 原 敏 夫
(3)環境保全型農業と畜産・・・・・・・・・・・・・・・鎌 田 啓 二
(4)環境保全型農業と施設園芸・・・・・・・・・・・・・兵 藤 宗 郎
(5)環境保全型農業と作付様式・・・・・・・・・・・・・石 原 邦
(6)環境保全型農業と機械開発・・・・・・・・・・・・・木 田 滋 樹
(7)環境保全型農業と農村環境整備・・・・・・・・・・・中 川 昭一郎
6.農業と環境:経済学からみた問題の構図・・・・・・・・・生源寺 真 一
本の紹介 46:農学原論,祖田 修著,岩波書店
(2000) 3200円 ISBN4-00-001811-6
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著者は,「第1章:農学原論とは何か」で次のように述べている。「農学は,農林水産業,関連諸産業,および農村社会の発展,それを通しての農林漁業者の幸福の追求,さらには広く社会に貢献することを理念とする学問領域である。このような農学の,現代におけるあり方を問うのが農学原論である。」。このことを元に,農業と人間,自然,経済,生態環境,農村生活などが語られる。さらに,農業技術の革新と普及,農業の研究方法と体系などが幅広く解説される。
目次は以下の通りである。
はしがき
第1章 農学原論とは何か
1 農学原論の系譜と課題
2 哲学としての農学原論
3 本書の視点―「場」の農学」
第2章 農業における人間と自然
1 農業の成立
2 農業における人間と自然の関係
1)家畜と作物―相互依存的共生関係
2)害獣と雑草―相互排除的競争関係
3)野生(一般)動植物―棲み分け的共存関係
3 近代の農業・農学における人間と自然
1)農業の工業化と生命・環境問題
2)人間と家畜・作物
3)農業生産と害獣・雑草
4 ディープ・エコロジーの自然観
1)「動植物の権利」の思想
2)動物の愛護と動物福祉の思想
5 「形成均衡」の世界と農学の再構築
第3章 現代農学の展開と価値目標
1 科学の発展と価値
1)近代科学の成果と限界
2)科学の専門分化と社会的責任
3)科学における「価値自由」
2 農業・農学をめぐる価値とは何か
3 農学の価値目標
―戦後日本社会および農業・農学の展開
1)「生産の農学」と経済価値
2)「生命と環境の農学」と生態環境価値
3)「生活の農学・社会農学」と生活価値
4)「場の農学」と総合的価値
4 地域という場
第4章 農林水産業と経済
1 市場原理と戦後の世界経済
1)ケインズ経済学と高度成長の思想
2)比較優位性の原理に基づく国際分業論
2 「市場の失敗」と「政府の失敗」
―資本主義と社会主義
1)先進資本主義国における高度経済成長
2)高度経済成長と諸問題の噴出
3)社会主義国における「政府の失敗」
4)経済学の課題
3 市場原理と農林水産業の特質
1)「農林水産業の特質」論の展開
2)技術的・経営学特質
3)多元的価値産業としての特質
4)地域的特質
4 世界経済の動向と農業経済
1)「小さな政府」論と規制緩和潮流
2)市場原理とその修正
―ドイツの「社会的市場経済論」の意義
5 農業技術と農業経済学の方向
第5章 農林業と生態環境
1 農林業を規定する生態環境
2 「人口爆発」と食料・農業
3 地球環境の悪化と農業
4 農林業の果たすプラスの役割
5 農林業と生態環境をめぐる課題
1)開発と環境をめぐる3つの立場
2)新たな自然観・倫理観の確立
3)持続的農業形成の条件
第6章 農業・農村と生活
1 農村社会と家族農業経営
1)農村集落の構造
2)農村集落の協同性
3)集落内農地の経済的性格
4)家族と家の重要性
5)家族農業経営の目標
2 生活から見た農業と農村
1)農作業の総合的人間性
2)農村生活と文化活動
3)製造・再編される生の場
3 農村生活の展望―開放性地緑社会
第7章 持続的農村地域の形成
1 地域概念の検討
2 トータルな「生の場」としての農村地域
1)「生産(経済)の場」としての農村地域
2)「生態環境の場」としての農村地域
3)「生活の場」としての農村地域
3 新たな場の形成
第8章 都市と農村の結合
1 都市・農村論の系譜
2 ヨーロッパにおける都市・農村結合の思想
1)田園都市論
2)都市分散配置論
3)都市・農村結合政策論
4)農村間の格差是正と均衡
5)EU空間整備政策の成立
3 日本における都市・農村関係の現実と可能性
1)単一核集中型空間の形成と問題
2)新たな都市・農村関係の具体化
第9章 農業技術の革新と普及
1 内発的発展過程と農業者の行為
2 農業者の行為類型とその意味
1)先駆的行為(先駆者)の意味
2)採択的行為(採択者)の意味
3)適応的行為(適応者)の意味
3 農業者の行為類型と農業・農村発展の総過程
4 農業・農村の発展と農学・農政の役割
第10章 農学の特質と研究方法および体系
1 自然についての科学と研究方法
1)近代科学の成立
2)自然科学の特質
3)自然科学における実験の意義
2 人間についての科学と研究方法
1)機械的自然観の普及と人間科学の自立
2)人間科学の成立と特質
3)人間科学における「理解と解釈」の意義
4)理念型と比較
5)学の哲学と生の哲学
3 科学方法論の分化と統合
1)科学方法論の対極化と「過渡地点」
2)科学方法論の二元性克服をめぐる議論
4 自然と人間の関係についての科学よ研究方法
1)実際科学の領域と特質
2)実際科学における「構想力」の意義
3)実際科学の研究方法
5 農学の特質
1)現代農学の価値目標
―価値追求の学としての農学
2)生命の学としての農学
3)地域の学としての農学
4)統合の学としての農学
6 農学の研究方法の多元性・統合性
1)農学における自然科学的研究の方法
―説明の類推
2)農学における人間科学的研究の方法
―理解と解釈
3)農学における実際科学的研究の方法
―構想
7 動態的過程としての農学の研究方法
1)農学研究方法の動態的過程
―複雑性と需要統合的方法
2)農学研究方法の諸段階と意味
8 現代農学の体系
9 結び
終章 要約と展望
本の紹介 47:Ecological Data;
Design, Management and Processing,
Edited by William, K. Michener and James W. Brunt
Blackwell Science 180p.(2000) ISBN 0-632-05231-7
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独立行政法人農業環境技術研究所は,平成13年4月の発足時に,内部組織として農業環境インベントリーセンターを設置し,健全な農業環境資源を次世代へ継承することを目的として,農業環境資源と農業生態系に生息する生物の調査・分類およびインベントリー構築のための調査・研究を開始した。インベントリーには,農業環境資源・農業環境生物の試料・標本とその情報のほか,モニタリング研究等で得られた観測データ,あるいは農業環境関連全分野にわたる研究データと研究成果をデータベース化して蓄積していく予定である。さらに,これらのデータを他の機関などに活用してもらい,そのかわり相手方からもデータをいただくという,いわばバンク的な存在として位置づけている。
この本は,データベースや生態学,統計学の専門書ではあまり扱われない,生態学研究の設計,生態学データの管理,データの品質維持,付加情報の文書化,データと情報のアーカイブ化,情報と知識を生み出すためのデータ処理方法などを扱っている。
近年,新しいセンサー,計算機,データ収集・記録装置,解析・統計手法などが次々に導入され,新たなデータ解析や視覚化の手法が可能になっている。また,高品質で,かつ理解しやすいデータを,有効に利用,管理,処理,共用することが求められており,さらに,研究者がデータを調べたり,扱ったりする方法も変化している。
また,今後,環境問題の解決に取り組んでいくためには,1つの研究に用いたデータを,消耗品として使い捨てにするのではなく,貴重な資源として管理・再利用・共有するという,新しいアプローチが必要であると,著者たちは主張している。
生態学に限らず,環境問題に関わる調査研究では,地球環境変動,生物多様性の減少,あるいは生態系機能の維持などのために,学際的な共同研究を実施し,大量の様々なデータを迅速に情報として整理し,最終的には人類共有の知識として統合することが求められている。この本は,環境科学の調査・研究の計画と実施に関わる人すべてに有益だろう。
執筆者
James W. Brunt ニューメキシコ大学生物学部米国長期生態調査(US-LTER)ネットワーク本部
Don Edwards サウスカロライナ大学統計学部
Raymond A. McCord オークリッジ国立研究所
William K. Michener J.W.ジョーンズ生態学研究センター
Richard J. Olson オークリッジ国立研究所
John H. Porter バージニア大学環境科学部
目次と主な内容
1.研究の設計:アイデアをデータに変換するには (William K. Michener)
「問い」と「仮説」が,研究の設計の基本にあり,ある問いには多様な作業仮説が作成できる。また,研究手法には,実験,長期研究,比較研究,空間によって時間を代用する研究,モデル研究,生態学的復元研究など多くのタイプがある。研究の設計に当たっては,研究領域の特定,統計的な検出力の検討,データの標準化,予備的研究の実施が重要である。
2.
データ管理の原則,具体化と運用 (James W. Brunt)
データ管理の原則は,「始めは小さく」,「単純なままで」,「柔軟に対応」すること,そして「ほかの研究者を巻き込むこと」である。データ管理システムに必要な要素は,「既存データセットの目録作成」,「データの設計と構造化」,「データの入手と品質管理」,「付加情報の文書化(メタデータ)」,「媒体とアクセスの検討」,「データの運用」などである。最後の「データの運用」には,データ利用に段階的な制限を加えることやデータを利用した研究を支援することも含まれる。
3.
科学データベース (John H. Porter)
科学データベースには,データのタイプの多様性,詳細な付加情報の必要性,分野や目的による必要項目の相違性など,一般のビジネス用データベースにはない難しさがある。科学データベースを開発する前には,「なぜ必要か」,「だれが使うのか」,「何を調べるのか」,「データ提供者にはどんな利益があるか」をよく検討しなければならない。データ構造の十分な検討と正規化が必要である。
開発の実例として,ヒトゲノムプロジェクトのデータベースの作成経過,および線虫(C.elegans)個体発生データベースの経過が示されている。
4.データの品質保証 (Don Edwards)
データの品質を保証するには,予防が第一である。データ入力の誤りを防ぐ方法と不正データ除去の考え方を示している。さらに,統計学的な「外れ値」の検出と検定の手法を詳細に解説している。
5.
メタデータ (William K. Michener)
メタデータの作成には相応のコストがかかるが,再利用を可能にしてデータの寿命を延ばすためにメタデータの作成は必須である。生態学関係の標準的メタデータ項目が説明され,関連するメタデータ標準化作業が記述されている。また,ソフトウェアとの関連で,メタデータの処理方法,メタデータの構造が説明され,特定のツールやベンダーに依存しない構造にするべきであると解説されている。
6.
生態学的データと情報のアーカイブ化 (Richard J. Olson, Raymond A. McCord)
アーカイブ作成への研究者の取り組みを奨励する方策として,「引用制度の確立」,「作成者への技術的援助」,「プロジェクト内への取り込み」,「メタデータ作成法の指導」,「CD−ROMなど成果の実体化」,「業績としての評価」などが紹介されている。データの共有の局面を,「研究者の排他的な関心」,「研究者間の共有」,「二次的利用者への公開」の順に時間を追って解説し,失われていくデータの救出が重要であることを述べている。
また,アーカイブ化のための原則として,データの1回性,データIDの付加,時と場所の情報の付加,ベンダー独立の書式の使用,「20年ルール」などをあげている。「20年ルール」とは,「アーカイブ作成から20年後に,そのデータを見たことがなく,データがどのように得られたかも知らない人が,付加文書(メタデータ)だけから,そのデータを理解し,利用できるようにする」という,米国研究審議会(NRC)が示したガイドラインである。
アーカイブの運用について,データの追加,データとメタデータの点検,受け入れと保管法を,また,データ検索について,索引システムの実装,ユーザインターフェースの選択,データ抽出機能,データ提供方法をそれぞれ解説している。また,ユーザへのサポートも重要な業務であると述べている。
7.
データから情報および知識への変換 (William K. Michener)
データの管理と処理について,データの縮約,変換が必須であり,その手法として,グラフ解析,伝統的統計学,記述統計,時間解析,空間解析,ノンパラメトリック統計などがある。また,巨大データベースの解析手法として,データマイニングと知識発見,オンライン解析とデータウェアハウスを解説している。
8.生態学の知識と将来のデータの課題 (William K. Michener)
生態学の知識の集積について,科学者と管理者の協力とアーカイブの適応的な管理を述べている。また,その知識が活用される場面として,「政策の窓」(「問題の発生」,「施策の提示」,「世論あるいは政治環境の醸成」の窓が同時に開く時)という考え方を紹介し,これが政策実施が可能になる時であり,科学的チャンスでもあると述べている。
最後に,著者らが提唱する生態データに関する情報化推進基盤整備(FII)について,データを情報・知識に変換するための技術的課題,データの理解・解釈の問題,異分野のデータ共有と共同研究の課題などを提示している。
本の紹介 48:化学物質と生態毒性,若林明子著,
産業環境管理協会,丸善 (2000) 5,600円 ISBN4-914953-48-X
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化学物質への対策は,ヒトへの健康影響だけを考えるのでは片手落ちである。生態系への影響を含め総合的かつ体系的な対策が必要である。食物連鎖に見られるように,ヒトは生態系の一部であるにすぎない。わが国における化学物質の環境基準の制定などには,ヒトへの健康影響は配慮されるが,生態系を守り育てるという視点に欠けている。
本書は,有機スズ、ダイオキシン、界面活性剤など環境汚染化学物質による生態系への影響評価および毒性評価を生態毒性学の視点から集約したものである。本書の大部分は,「環境管理」誌にシリーズで連載された報文を基に書かれている。この種の本は,普通,多くの著者による分担執筆の形がとられる。しかし本書は,一人ですべての項目を執筆しており,内容に一貫性がある。
生態系への毒性試験の詳細な解説、定量的構造活生相関(QSAR)、化学物質の環境動態で重要な役割を演じている生分解性や内分泌攪乱性の事項まで取りあげている点も特徴の一つである。付録として,OECDと環境庁のガイドラインが記載されている。また,付表として,各国の水質基準,主要化学物質一覧,主要魚名が記載されており,大変便利である。
なお、本書の目次は次の通りである。
1.国内外における生態系保護対策の動向
2.水生生物を用いた毒性試験
3.試験生物種や発育段階と毒性
4.試験時の水質変化と毒性
5.慢性毒性値の推定方法
6.毒性発見の作用様式
7.構造活生相関
8.化学物質の水生生物への複合毒性
9.水生生物への蓄積と濃縮
10.生分解性と生体内変化
11.野生生物で生じているホルモンの大攪乱
12.ダイオキシン類のエコトキシコロジー
13.界面活性剤のエコトキシコロジー
14.GESAMPの有害性評価手順の改定
15.米国における水質管理への適用
本の紹介 49:Soils and Environmental Quality
Eds. G.M. Pierzynski, J.T. Sims and G.F. Vance, CRC Press
(2000) ISBN 0-8493-0022-3
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この本は,次の考えのもとに書かれている。土壌は,人間をはじめ植物,野性生物および他のあらゆる生命体に影響を与える多くの汚染物質の発生源および吸収源であるとともに,相互作用がおこなわれている環境である。
この本では,最初に土壌科学,水門学,大気化学,汚染物質の分類,土壌と水分析の基礎が解説される。続いて,チッソ,リン,イオウ,微量元素,有機化学物質,全球の気候変動,酸性降下物および汚染土壌・地下水・表層水の修復について詳しく論じられる。
さらに,環境にかかわる主な元素やそれらの化合物の地球生物化学的循環における土壌の役割が論じられる。また,土壌,水,大気間における汚染物質の相互作用の重要性が強調される。目次は次の通りである。
1.環境
2.大気圏と水圏
3.土壌生態系
4.土壌のチッソと環境
5.土壌のリンと環境
6.土壌のイオウと環境
7.微量元素
8.環境中の有機化学物質
9.生物地球化学,土壌の質および土壌管理
10.大気圏:気候変動と酸性降下物
11.土壌と地下水の修復
12.リスク評価