World crop FACE workshop
大気中の二酸化炭素(CO2)濃度の上昇などの気候変動が農作物に及ぼす影響を、屋外の開放系条件で調べるための開放系大気CO2増加 (Free-air CO2 enrichment, FACE)実験が、日本、アメリカ、ドイツ、オーストラリア、中国、イタリア、ニュージーランドで実施されています。 農環研は、各地のFACE実験の連携を図って、世界的な食料、環境問題の解決に役立てることを目的に、現在活動中のすべての作物FACEの 研究者が一堂に会する「世界作物FACEワークショップ2012」を7月9~12日につくば国際会議場で開催しました。世界で初めての試みです。 このワークショップでは、各地の作物FACEのこれまでの活動を紹介するとともに、今後の重点研究課題を検討しました。参加者は8か国から65名で、 43の口頭発表、26のポスター発表がありました。それらから、現在の作物FACE研究の潮流が、CO2濃度の単独影響の評価から、複合的な 影響のメカニズム解明や適応のために品種比較にシフトしていることがわかりました。また、今後の重点課題として、高CO2濃度が収量や品質に 及ぼす影響の品種間差異の解明、共通の測定手法を用いた群落微気象測定などの分野で、連携を強化することになりした。 農環研は、今後も国際的な作物FACEのネットワークの強化を図ります。