第7回公開セミナー
日時:平成19年8月4日(土) 10:15〜17:00
場所:北海道大学理学部 7号館 310講義室
講演タイトル | 現在、日本にはどのような外来植物が蔓延し、何が問題となるか |
講演者 | 楠本良延(農業環境技術研究所) |
隠花植物、例えばシダだとか、あるいはミズゴケなどは、日本に相当輸入されていると思いますが、そういうものはあまり外来植物としての影響がないのでしょうか。
ご指摘のとおり、シダ類や地衣類などの外来植物でも、海外から来ているという報告もあります。しかし、どうしてもデータの取得が非常に難しいという理由で、全国的な調査はされていませんので、解析のしようがないというのが実際の状況です。今後、そういうデータがそろえば解析したいと思います。
海岸域の海草類なども外来種の影響はあるのでしょうか。
海岸についても同じような理由で、今回は研究対象から外しております。
海岸の話などは、ワカメ等の、出て行った話ですが問題もありますし、バラスト水の問題など、いろいろな研究機関が取り組むことが必要と思っています。
これは全国のこういう環境に適用すると、気候的な要因や土地利用的要因などによって、地域によってどういう外来植物が問題になるか。外来植物が持っている能力だけではなくて、それを受け止める地域の側がどういう条件を持っているかによって、影響の出方が違うと予想されると思うのです。例えば北海道の畑作地帯、酪農地帯で何か見えてきていることはないでしょうか。
まず北海道はどうしても気候の制限がかかりますので、本州に比べてかなり冷涼になりますので、そういう所には、いわゆる本州で問題になってきている外来植物は出づらいという結果が一つあります。しかし、そういう所に特化してというか、そういう所にも入り込める外来植物が幾つか出てきています。
例えば先ほど報告したようなセイタカアワダチソウは少ないのですが、オオアワダチソウは分布しておりますし、牧草類の外来植物のたぐいは分かってきています。これも全国分布のデータだけではなくて、実際の量的なデータ今後取っていけば、もっと詳しいことが分かってくると思います。
特にこの調査は水田周辺の調査だということと、特定外来が12種類ありますが水草類が多くて、九州の方では水田周りでは問題になるけれども、そういうものも場所によって違うということです。