公募課題
2012年6月26日更新
園芸作物の品種改良に向けたDNAマーカーの開発(略称:新ゲノム園芸、SGE)
概要
国内の野菜生産で最も生産額が大きく、世界的にも農業生産上重要なナス科野菜(トマト、ナス、ピーマンなど)からトマトを中核の対象にし、果樹では国内の果樹生産で生産額が大きく世界的にも重要なバラ科果樹(ナシ、リンゴ、モモなど)からナシを中核の対象にして、それぞれ有用遺伝子の同定・機能解明と品種改良に向けた500個以上の高精度DNAマーカーの開発を行う。さらに、園芸作物の特徴でもある多様な生殖様式や育種システムに適用可能な高速育種法の開発を進める。
研究目的
- 国内の野菜生産で重要なナス科野菜からトマトを中核の対象にし、安定生産、高品質化等に関わる重要形質について関連遺伝子座の同定とDNAマーカーを開発
- 国内の果樹生産で重要なバラ科野菜からナシを中核の対象にし、安定生産、高品質化等に関わる重要形質について関連遺伝子座の同定とDNAマーカーを開発
- 園芸作物の特徴でもある多様な生殖様式や育種システムに適用可能な高速育種法を開発
達成目標
- トマトを対象にして、品種改良に向けた500 個以上の高精度DNAマーカーの開発を行い、野菜全体に波及する基盤的な技術構築を行う。
- ナシを対象にして、品種改良に向けた500個以上の高精度DNAマーカーの開発を行い、木本性作物に波及する基盤的な技術構築を行う。
- 園芸作物の特徴でもある多様な生殖様式や育種システムに適用可能な高速育種法を開発する。
研究内容
- 高速配列解析技術とトマトゲノム情報を駆使したナス科高密度DNAマーカーの開発では、ゲノムワイドな1500以上のマーカー候補の開発、高密度連鎖地図の構築、ナス科共通マーカーの整備、を行う。
- トマトの収量・品質性に対する高度遺伝解析系統群の育成と育種素材化では、日本の高品質F1品種とオランダの多収性F1品種を両親とするRILsや香味成分組成の異なる純系育種素材を両親とするRILsを育成し、QTLマッピングにより収量や糖度等に優れた2系統以上を選抜する。
- バラ科果樹のゲノム情報基盤の構築と品種改良に向けたDNAマーカーの開発では、次世代型DNAシーケンス解析等を利用してナシでSSRやSNPマーカーの開発、高密度連鎖地図の作成、ナシのDNAマーカー育種に利用可能な500個以上のマーカーセットを整備する。
- 高密度マーカーを活用した園芸作物の高速育種法の開発では、ナシとトマトの育種において、ゲノミックセレクションの選抜効率を向上させるための新統計手法・アルゴリズム、プログラムを開発する。実データをもとにゲノミックセレクションを導入した場合の育種デザインの最適化を行う。
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実施課題一覧(〜平成24年度)
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課題番号 | 実施課題名 | 課題責任者 所属機関 |
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SGE1001 | 高速配列解析技術とトマトゲノム情報を駆使したナス科高密度DNAマーカーの開発 | 野菜茶業研究所 |
SGE1002 | トマトの収量・品質性に対する高度遺伝解析系統群の育成と育種素材化 | 野菜茶業研究所 |
SGE1003 | バラ科果樹のゲノム情報基盤の構築と品種改良に向けたDNAマーカーの開発 | 果樹研究所 |
SGE1004 | 高密度マーカーを活用した園芸作物の高速育種法の開発 | 中央農業総合研究センター |