国立研究開発法人農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター
遺伝子組換え研究推進室 |
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世界遺産「富岡製糸場」に行く前にカイコを知ろう!を開催しました
2014年8月6日、12日の2回、生物研大わし地区展示室にて「世界遺産「富岡製糸場」に行く前にカイコを知ろう!」を開催、小学4〜6年生の参加者のほか、保護者の方々など2回合わせて合計94人が参加、研究者の話を聞いたり、カイコを観察したりしました。
まず「カイコの歴史」というタイトルで、カイコや養蚕業、絹産業の歴史をお話しました。6日は遺伝子組換えカイコ研究開発ユニット・冨田秀一郎主任研究員が、12日は同ユニット・河本夏雄主任研究員が、展示物やポスターを使いながら、20世紀前半、絹産業が日本の一大産業であり、生糸を輸出して得られた外貨が日本経済を支えていたこと、世界遺産に登録された富岡製糸場などの説明をしました。
次に新機能素材研究開発ユニット・亀田恒徳ユニット長から「最新のシルク研究」というタイトルでお話がありました。シルクはタンパク質が豊富な素材であり、牛乳や豆乳を比較例として挙げて、糸だけでなく、ゲル、フィルム、スポンジなど様々な形にシルクを変えることができると、お話がありました。医療分野をはじめとして利用できる素材の研究開発をしていること、遺伝子組換え技術で様々な新素材の開発をしていることなどの説明もありました。参加者は、亀田ユニット長が作成したゲルやスポンジなどの実物を手にとって興味深く見ながら、お話を聞いていました。また、蛍光絹糸や舞台衣装などの展示物の見学もしました。
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ポスターを使いながらお話する冨田主任研究員 | 展示物を見せながらお話しする河本主任研究員 | |
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シルク研究を紹介する亀田ユニット長 | 蛍光シルクが光る様子も実物で確認しました。 |
その後、参加者はカイコの幼虫(5齢幼虫)を観察しながら、飼育の仕方などのお話を聞きました。カイコは「黄白」という、メスが黄色、オスが白色の繭を作る種類を準備して、それぞれ1頭ずつ以上を参加者に配布しました。昆虫機能研究開発ユニット・志村幸子主任研究員の説明を聞きながら、「黄白」の幼虫のオスとメスの体の形や色の違いなどを観察しました。志村主任研究員からは5齢幼虫の飼育の仕方、産卵させた後の卵の保管の仕方など具体的な説明もありました。また、夏休みの自由研究のテーマについて、理科だけでなく社会科で学習する内容と関連付けたテーマについても紹介がありました。
参加者は、5齢幼虫を飼育するため、桑の葉をビニル袋に詰めて、持ち帰りました。参加者の中には、最初はカイコ幼虫に触ることができない人もいましたが、イベント終了時には手にとることができるようになっていました。アンケート調査結果からは保護者の方々もカイコに興味を持っていただき、楽しんでいただけた様子が伺えました。
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参加者が持ち帰ったカイコの5齢幼虫。
「黄白」という種類のカイコです。 |
参加者はオスとメスの幼虫を持ち帰りました。 | |
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カイコの飼育方法を説明する志村主任研究員 |