植物の葉は発達の最終段階として「老化」し、新しく作られる器官へと、自らに含まれる栄養素を積極的に送り込みます。葉の老化は作物の生産性にも関わることから、その仕組みを理解することは農業上も重要です。私は、葉の老化の初期に起こる「クロロフィル(葉に含まれる緑色の色素)分解」の制御機構の解明と、イネの開花・登熟期の葉で働く遺伝子の網羅的な発現解析、という2つの研究を行い、老化過程の全容を捉えるための情報基盤を整備しました。
一つ目の研究は東京大学で特別研究員として行い、二つ目の研究は生物研で実施したものです。今回このような賞を頂けたのは、たくさんの先生方や関係者の方々のお力添えがあってのことです。深く感謝するとともに、賞に恥じないよう、もっとがんばっていきたいと思います。