生物研では、一般の方に遺伝子組換え農作物を見ていただく機会を提供するため、平成17年より、遺伝子組換え農作物の展示栽培を行っています。今年は5月より栽培を開始しました。
栽培しているのは、世界で広く栽培され、日本でも多く利用されている、「除草剤耐性ダイズ」と「除草剤抵抗性及び害虫抵抗性トウモロコシ」です。それぞれの特性が良くわかるよう、工夫して栽培しています。8月上旬頃までが見頃です。
スギ花粉症治療イネは、スギ花粉症の原因となるスギのタンパク質(アレルゲン)を白米に蓄積するイネです。このコメを食べることでスギ花粉症を治すことを目指し、開発しています。現在栽培しているのは、立体構造を改変したアレルゲンを「コシヒカリ」の白米に蓄積する新型で、安全性が高く、多くのスギ花粉症患者に対応できる汎用性の高い治療米として研究を進めています。 スギ花粉症治療イネの隔離ほ場での栽培は、昨年度に引き続き2年目となります。平成24年度は、4月26日(木曜日)にこのイネの隔離ほ場栽培についての説明会を開催し、5月10日(木曜日)に生物研の隔離ほ圃場内にて播種を行い、栽培を始めました。その後6月4日(月曜日)に隔離ほ場内の水田に田植えを行いました。
複合病害抵抗性イネは、イネから単離したWRKY45遺伝子の働きを遺伝子組換え技術により強化したイネで、温室内での実験では、イネの最大の病害「いもち病」をはじめとする複数の病害に対して強くなることが確認されています。ほ場でも温室内と同様、病害に対して強くなるか確認するために、今年度より、隔離ほ場での栽培を行うことにしました。 平成24年6月2日(土曜日)には、このイネの隔離ほ場栽培について説明会を開催しました。その後、6月12日(火曜日)に農業環境技術研究所の隔離ほ場(コンクリートの枠で囲った「枠水田」)で田植えを行い、栽培を開始しました。