平成24年12月7日(金曜日)〜9日(日曜日)に第25回 日本動物実験代替法学会学術大会が東京都港区の慶應大学で開催されました。そのプログラムの一つとして、12月9日に学会主催、生物研共催のシンポジウム「コラーゲンビトリゲル膜チャンバーを用いたADMET解析に有効な培養システム」が行われ、関連分野の研究者など約100名が参加しました。
「コラーゲンビトリゲル膜チャンバー(上の写真)」は、生物研が開発した新素材「コラーゲンビトリゲル」の膜をプラスチックカップの底面に張ったもので、膜の片面または両面に細胞を培養することにより、様々な培養モデルを構築することができます。シンポジウムでは4題の講演が行われ、この培養モデルを創薬研究で行われるADMET解析(薬物などの吸収・分布・代謝・排泄・毒性の解析)に利用する取り組みが紹介されました。生物研からは、筆者が角膜や血管の透過性試験、腸吸収試験などへの応用について報告したほか、外来研究員の山口宏之が眼刺激性試験、特別研究員の押方歩が肝代謝試験への応用について報告しました。シンポジウム終了後には製薬企業からコラーゲンビトリゲル膜チャンバーの販売時期について質問を受けるなど、このシステムの有用性を多くの参加者にご理解いただくことができました。
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