はじめに

 クマノミとイソギンチャク、あるいは地衣類(菌類と藻類)に見られるように、異なる生物種が互いに利益を得る関係を(相利)共生といいます。また、真核生物のミトコンドリアや葉緑体は、細胞内に共生する細菌が起源であると言われています。共生は生物に見られる普遍的で最も興味深い現象の1つです。
 陸上植物も例外ではありません。普段の生活では目にすることはありませんが、土の中では様々な微生物と共生しています。その中でも菌根菌は、植物の生育に必要なリン酸や水の吸収を助けています。4億年以上も前、海から陸へ植物が進出した時に、菌根菌との共生は重要な役割を果たしたと考えられています。それは現在でも変わりません。
 また、ダイズなどのマメ科植物は根粒菌と共生することが知られています。根粒菌は空気中の窒素をアンモニアに変換し、そのアンモニアを植物が吸収します。その結果、マメ科植物は痩せた土地でも旺盛に生育することができます。
 我々の研究グループでは、植物と根粒菌・菌根菌との共生を研究することで、肥料をあまり使わない、環境に優しい農業に役立てようと考えています。

更新情報

2014年04月02日
論文・メンバー情報を更新しました。
2012年04月04日
論文・メンバー情報を更新しました。
2012年03月05日
ホームページを公開しました。

ページ先頭へ戻る