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- 成果の詳細
- 今回開発したニワトリ品種の識別法は、ニワトリのDNAの中にあるマイクロサテライト(注1)と呼ばれるDNA配列5箇所をマーカーとしてPCRにより増幅し、その長さを調べる方法です(図1)。このマイクロサテライトマーカーは加工した鶏肉からでも増幅可能ですので、加工鶏肉も検査対象とすることができます。
識別しようとするニワトリのマイクロサテライトマーカーのうち、名古屋コーチンのマーカーの長さと一つでも違いが検出されれば、名古屋コーチンではないと識別できます。
- 愛知県畜産総合センター種鶏場で生産されている名古屋コーチンの種鶏では、どの個体でも5つのマイクロサテライトマーカーの長さはそれぞれ1種類であることが分かりました(表1)。一方、他の鶏では、名古屋コーチンとは違うマーカーの長さが検出されるので、名古屋コーチンではないと識別できます(図1)。
- 他の純粋品種や市販ブロイラーを用いた実証試験において、調査したサンプル全て、名古屋コーチンではないと判定され、本識別法の有効性が確認できました(表2)。
- 本識別法は、愛知県畜産総合センター種鶏場から供給される種鶏から生産される名古屋コーチンに適用可能です。愛知県畜産総合センター種鶏場以外から供給される種鶏から生産される名古屋コーチンについては、調査を実施していないため、いまのところ本識別法の適用を受けません。なお、本成果は愛知県と共同で特許出願(平成18年3月9日)しました。
- 期待される効果
- 名古屋コーチン鶏肉の偽装に対する抑止効果が期待できます。そのため、愛知県畜産総合センター種鶏場由来の「名古屋コーチン」に対する消費者の信頼がより高まり、ブランド価値を高めることが期待されます。
- DNA識別できるニワトリ品種第1号として、「名古屋コーチン」の知名度がさらに高まります。
- 今後の展開
名古屋コーチンに限らず、我が国固有の地鶏を活用した地域特産鶏が全国で生産されています。国産鶏振興を図るためにも、他の地域特産鶏のDNA識別手法の開発にも取り組みます。
- 研究助成
本技術の開発には、平成17年度に、農水省委託プロジェクト「食品の安全性及び機能性に関する総合研究」並びに財団法人伊藤記念財団から研究助成を受けました。
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