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赤米が白米になった原因を解明- 数年で良食味の赤米が育成 -【要旨】 米には、玄米が着色している着色米と呼ばれる種類があり、紫黒米、赤米、赤褐米、白米(無着色米)などに分類されます。イネの祖先種は、すべて着色米です。進化の過程で着色米に変異が生じ、白米が出来たと推測されていましたが、着色米や白米が生じる遺伝的なしくみは不明でした。 今回、農業生物資源研究所が中心となり研究を進め、イネゲノムの完全解読情報を駆使することにより、米が赤くなるために必要な2つの遺伝子、酵素遺伝子(Rd)と調節遺伝子(Rc)、の単離に成功し、長年の謎を解明しました。赤米の調節遺伝子に変異が生じ、その偶然生じた変異を農民が積極的に選択し、現在の白米が選抜育種されたことも明らかになりました。 赤米にはカテキンやタンニンなどが豊富に含まれていることから、抗酸化機能に富んでいますが、現在生産されている赤米には良食味のものはありません。今回の研究によって、赤色に関与する2つの遺伝子そのものが明らかになったため、今後はこの成果を利用することで、食味のよいコシヒカリを精米部分(胚乳)に持ち、果皮に赤色のカテキンを多く含む良食味米が短期間で交配育種できます。
【掲載新聞】
8月2日(水):日刊工業新聞、8月4日(金):化学工業日報、8月5日(土):日本経済新聞、 8月6日(日):日本農業新聞、8月7日(月):常陽新聞、8月30日(水):農業共済新聞、 9月3日(日):日本経済新聞 [ 農業生物資源研究所トップページ ] [ プレスリリースリスト ]
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