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【用語解説】

六条性遺伝子:

  オオムギの穂の穀粒の列数を六列にする遺伝子。穂あたりの穀粒が3倍になり、増収になる。全てのオオムギは穂軸に3個の小穂(小花)を着け、すべてが結実するもタイプが六条オオムギ。中央の小穂だけが結実し、側列の小穂が退化して結実しないタイプが二条オオムギ。オオムギの直接の祖先である野生オオムギはすべて二列(二条)だが、栽培オオムギには品種によって二条と六条とがある。

  六条性遺伝子はメンデル則に従って単純な遺伝をし、二条より六条は劣性である。従って、何らかの野生型遺伝子(機能を持つ)が、突伝変異で破壊されて(機能を喪失)、六条オオムギをもたらしたと考えられてきた。遺伝子記号は(すべて小文字で)vrs1、第2染色体に乗っていることが知られている。

栽培化遺伝子:

  野生植物が栽培化された際に特に有利に働いたいくつかの遺伝子をさす。何れも人間による選抜を受けたと考えられる。成熟しても種子が分散しない性質(非脱粒性)や種子を多くつける性質(高収量性、今回発表の遺伝子もこれ)など人間が意識的に選んだ性質を決める遺伝子と、環境適応性など人間が無意識的に選んだ性質を決める遺伝子とがある。

  栽培化された植物は、逆に本来の野生植物が持つ自然適応力を失う。栽培化遺伝子は、植物の自然適応に重要な遺伝子が突然変異を通じて生じたケースが多い。

転写因子:

  転写調節因子、転写調節因子ともよぶ。遺伝子の転写調節領域に特異的に結合して、その遺伝子の転写の促進や抑制に働き、遺伝子発現を制御するタンパク質。(最近の研究から、栽培化遺伝子の大部分は転写因子をコードすることがわかってきた。)


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