農作業安全コラム

農業機械のユニバーサルデザイン指針発刊

H19年6月 菊池 豊

 平成17年7月の安全コラムに「トラクタとユニバーサルデザイン」を寄稿しましたが、今年の4月20日に5年間のユニバーサルデザイン研究の成果を、セミナーで発表しました。参加者は約70名で大盛況でした。参加者からは「手首のひねり等をどのように評価したらよいか」、「非常に参考になった」、「また開催してほしい」、「コンバインの手こぎ高さはどれくらいがいいか」等意見をいただきました。

 セミナー後、参加者等からの意見を基に若干修正したものを「農業機械のユニバーサルデザイン指針」として5月31日に発刊しました(価格393円)。本指針では、世代間や性別間の体格差に配慮した設計するための身長別体格モデルと乗用型トラクタのレバー、ペダル等の配置範囲を提案しています。これを参考に、カタログに適応身長が表示されたり、「女性向け」、「2世代向け」といった新しいラインナップが登場するか楽しみです(図)。

図

 今後とも、女性、高齢者を含む幅広い農業機械ユーザが快適に運転操作できるよう、農業者の視覚、聴覚、動作、筋力、認知判断機能等の能力や農業機械の使用環境における取扱性等の研究を進めていきたいと思います。

 

キーワード:研究/乗用トラクター
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