イネの野生種を知る

通常、「栽培イネ」と言えば、熱帯から温帯にかけて世界中で栽培されている「アジアイネ」を指しますが、その中にもジャポニカ(日本型)、インディカ(インド型)、ジャバニカ(ジャワ型)など異なるグループがあります。
アジアイネ:学名ではOryza sativa (オリザ・サティバ) Oryza はイネ、sativa は栽培の、という意味

一方、西アフリカの一部地域では、アジアイネとは異なる「アフリカイネ」と呼ばれる種が栽培されています。さらに、アジアイネ、アフリカイネ以外にも、熱帯地域にはイネ属にグループ分けされる約22種の野生のイネが分布しています。

これら野生のイネの中には、病気や害虫に強い性質(抵抗性)を持つものが多いことが判っており、野生イネと栽培イネを交配させることによって、その抵抗性を受け継ぐことができれば、栽培イネの可能性は飛躍的に大きくなるでしょう。
ただ、同じ「イネ属」でも、栽培イネとは異なるタイプのゲノムを持つ野生イネと交配させることは非常に困難。そこで現在、同じタイプのゲノムを持つ野生イネを、栽培イネの品種改良素材として活用する研究が進められています。
栽培イネをもっと有益な品種に
栽培イネを、今よりもっと有益な品種に改良するために必要な遺伝子が、様々な種類の野生イネの中に隠れているかもしれないんだ。イネの仲間を研究することで、「超多収イネ」や「環境に優しいイネ」などが生まれるかもしれないね。
