生物研トップ > イネゲノム完全解読10周年

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イネゲノム配列の完全解読は、世界の農業研究に基礎、応用両面で大きな力を与えました。まず基礎研究としては、当初解読されたジャポニカ型のイネ栽培品種「日本晴」のゲノム配列は、遺伝子連座地図に基づいた高品質な単子葉植物ゲノム配列として位置づけられており、今では何千ものイネ栽培品種やイネ野生種間の多様性を理解するための参照(基準)配列として利用されています。またイネゲノム配列は、全ての人類の食糧源であるトウモロコシ、小麦、大麦、モロコシなどの他の主要な穀物を理解する上で重要な知見も提供しました。応用面では、イネゲノム配列の解読により、多くの農業形質の特性解析が進み、多様な環境で生育できるヒット品種の開発をはじめ、高収量品種、生物・非生物ストレス抵抗性の品種など、育種家が最も望ましいと考える品種の開発が可能となりました。さらに現在でも「次の緑の革命」を進めるため、世界の広範囲に存在するイネ遺伝資源 をより深く理解するためのプラットフォーム作りなど、継続的な努力が行われています。

この10周年ウェブサイトでは、イネゲノムの完全解読からイネゲノム研究の進展の概要、我々がこれまでに学んだこと、我々がこれまでに達成したこと、さらに我々が次の10年とそれ以降に成し遂げなければならないことについてご紹介します。

ゲノム解読を通じて、我々は90億人問題の解決に貢献します。

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