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コラム

2013.8.23 宮ノ下明大
ノシメマダラメイガ恐怖症にならないために


毎年、7月から9月までは食品害虫ユニットへの問い合わせが非常に多くなる時期です。冬を越した昆虫が、気温の上昇に伴って多数発生する時期と重なっています。

先日も女性から電話がありました。お米の袋の中にメイガが発生したので、燻煙剤を使って部屋を処理したが、今日も2、3匹の生きた虫が見つかった。パスタ等も食べる害虫なので安心して料理もできない。 どうしていいか分からないという内容でした。声の様子では精神的にかなり参っている感じで、私は心配になってしまいました。
ノシメマダラメイガ
正式には「ノシメマダラメイガ恐怖症」という病名はありませんが、そうならないためにも、適切な知識と対処が必要になります。一般家屋でノシメマダラメイガを発見した場合、落ち着いて対応するために知っておきたいことを紹介します。

【① 人に害を与えることはない。】
健康被害
刺したり、毒となる物質を出したりといった人に被害を与えることはありません。食品と一緒に食べてしまって健康被害が出たという事例も、私の知る限りありません。

【② 発生源を見つけたら、可能であれば全部捨てよう。】
捨てる
発生源を発見し虫を取り除いたつもりでも、卵や小さい幼虫まで全て取り除くことは不可能です。そのまま保管すると再発生することがありますので、全部捨ててしまう方が好ましいです。

【③ 食品がなくても成虫は現れることがある。】
意外な隙間
幼虫は蛹になるために、隙間などの狭い空間を探して歩き回る時期があります。この蛹になる隙間は食品とは限りません。棚の後ろや本の間でも十分です。発生源を全部捨てても、意外な場所から成虫が現れることがあります。

【④ 発見した虫がすべて食品に被害を与える訳ではない。】
雌のみ
成虫を発見しても、食品に産卵するのは雌だけですから、雄であれば被害が拡大することはありません。目に付いたすべての虫が被害につながる訳ではないのです。

【⑤ 発生数が少なかったら、掃除機で毎日吸い取ろう。】
掃除機
発生源を処理した後に再び成虫を発見したときは、掃除機で吸い取って、他のゴミと共に捨ててください。ゴキブリのように素早く動かないので落ち着けば十分に吸い込めます。成虫の寿命は7日間程ですから、この作業が長く続くことはありません。

【⑥ 野外にも発生しており、決して特殊な虫ではない。】
屋外
成虫は、7月から9月の間は野外にも多数発生しており、数匹ならば外からの侵入も考えられます。成虫を発見しても、家屋内に発生源が見当たらなければ心配はないと思います。

【⑦ お米の保管はできれば冷蔵庫に。】
冷蔵庫
ノシメマダラメイガは、10℃程度の低温であれば活動が低下し繁殖しません。お米は冷蔵庫に保管できれば理想的ですが、現実にはなかなか難しいことです。 夏季の気温では卵から成虫まで約1ヶ月です。常温で1ヶ月以上保管したお米を炊くときには、米びつ内の虫の発生をチェックするように心掛けましょう。

冒頭の女性にはこれらのことを説明しました。「また電話してもいいですか」と言われたので、「はい、またどうぞ」とお答えしました。その後、電話はありません。大丈夫だったのでしょう。



 
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