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コラム

2014.10.03 宮ノ下明大
カップ麺製品に混入したノシメマダラメイガ


9月のある日、「カップ麺製品を開封し、お湯を注いだところ、多数の幼虫(5~9mm)が浮かんできた」というクレームについて電話がありました。

カップ麺に虫混入

4月の製造段階で虫が混入した場合、8月に開封されるまで、幼虫でいる場合があるのか確認したいとの問い合わせでした。 混入した幼虫は、ノシメマダラメイガのようです。成虫は発見されていません。

ノシメマダラメイガの卵から成虫まで
ノシメマダラメイガの発育速度は、食物と温度に大きな影響を受けます。 カップ麺製品には様々な麺(ラーメン・そば・うどん・パスタ等)がありますが、これらの麺を幼虫が食べた場合の発育日数はほとんど調べられていません。 唯一、私たちの研究(村田ら,2006)により和風麺で調べた結果によると、30℃でふ化幼虫から成虫まで平均で約34日でした(同じ条件で玄米なら約24日)。 この温度での卵の期間は4日ほどですので、卵から成虫までは平均38日になります。

ノシメマダラメイガ
ノシメマダラメイガ
今回の混入事例の場合、製品出荷後に何℃で何日保管されていたという情報は不明でした。 消費者の手元にあったのは3日ほどなので、幼虫の大きさからみれば購入後に混入が起こったとは考えられません。 出荷後の製品の保管温度は30℃より低かったと思われるので、成虫になるには38日以上かかりますが、4ヶ月あれば成虫になっているでしょう。その場合は、出荷後のどこかで混入が起きたことになります。 しかし、成虫になるかどうかは、何とも言えない場合もあります。 今回のように幼虫密度が高い場合、発育の程度が不揃いになり成虫になるまでの日数が延長する傾向があるからです。

さらに、可能性を考えれば、最初混入したのは数頭で、それが開封までの4ヶ月の間で成虫となり、たまたま雌雄が含まれていれば、その次世代の幼虫が発生したのかも知れないのです。 成虫の死体は、少数であれば幼虫が食べてしまうので、発見されないこともあります。

混入の状況
結局、「うーん、何とも言えませんね」と答えるしかありませんでした。 カップ麺を開封する前の包装に穴や隙間があったのかどうか、すでに開封されていたため確認できず、いつどこで混入したのか推測する情報もなかったのでした。

食品に対するノシメマダラメイガ混入時期推定は、情報不足で何とも言えない事がよくあります。食品毎の発育日数でさえ、十分な研究がないのが現状だからです。 実用的には、食品毎での発育日数の把握がとても重要なのです。


 
参考文献
  • 村田未果・今村太郎・宮ノ下明大(2006)カップ麺製品へのノシメマダラメイガ幼虫の侵入と発育.日本応用動物昆虫学会誌50:131-136.


 
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