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情報:農業と環境 No.61 (2005.5)
独立行政法人農業環境技術研究所

インベントリー展示館が公開された

農業環境技術研究所の農業環境インベントリーセンターは、土壌分類、昆虫分類、微生物分類の3つの研究室と、インベントリー情報の効果的な活用・公開のためのシステムについて研究を進めるインベントリー研究官、およびセンター長で構成されている。「インベントリー」は、もともとは「財産や在庫の目録」を意味する言葉であるが、当研究所では「農業環境資源の標本と情報のバンク」の意味で使っている。

各研究室は、それぞれに標本館を持ち、各専門分野と農業環境の研究の基盤となる標本の充実に努めてきた。農業環境技術研究所の本館東側に「土壌保全・モノリス実験棟」が、本館南側に「昆虫・微生物標本館」が配置されている。これらの施設については「情報:農業と環境」の32号34号で紹介されている。また、標本館に所蔵されている標本については。農業環境インベントリーセンターの公開ページ (対応するページがありません。2014年4月) に解説があるので、関心のある方はぜひご覧いただきたい。

インベントリー展示館の案内板

インベントリー展示館の公開

農業環境技術研究所への来訪者に農業環境インベントリーの目的や内容について知っていただくための場として、従来の「土壌保全・モノリス実験棟」の一部を改装して「昆虫・微生物展示室」を新設し、同実験棟の名称を「インベントリー展示館」に変更した。研究所の一般公開が行われた4月20日の朝に、研究所の新役員らによる「案内板の除幕式」が行われ、当日は多数の一般公開の来訪者がこの展示館を訪れた。

展示館の概要

玄関ホールの正面には、わが国の代表的土壌のモノリス標本(土壌断面の標本)が展示され、土壌の分布がわかりやすく解説されている。その右側には、新たにオープンした「昆虫・微生物展示室」の案内版がある。

玄関ホールの左側の壁には、モノリス標本の作成方法が各段階の作業の写真を使って説明されている。これを見て、玄関ホールから左側へ進むと、右手には日本の土壌モノリスの展示室がある。突き当たりには新たに整備された土壌試料保管室があり、50年前からの多数の土壌試料が断面の層ごとに保管されている。左には世界の土壌モノリスの展示室がある。この室に展示されているモノリスのいくつかには、現地の農作業風景や農産物を囲む人々の写真が添えられている。土壌と植生、そしてそこに生活する人々の姿が結びつくと、さまざまな想像や感慨がわき上がってくる。

この室を出て、今度は玄関ホールの右側へと進む。右手に「昆虫・微生物展示室」の入り口がある。中に入ると、右側が微生物のコーナー、左側が昆虫のコーナー、奥は画像情報・データベースのコーナーとなっている。この室の現在の展示テーマは「農業環境における多様な昆虫と微生物」である。

微生物コーナーでは、健全な作物に常在する微生物(細菌と糸状菌)について、その種構成は単純であり、かなり安定していること、稲と小麦では微生物の構成がまったく違うことなど、最新の研究成果が微生物の培養標本とともに紹介されている。また、プレパラート上の微生物を顕微鏡で観察して、図鑑と見くらべて微生物を同定する作業も体験できる。

昆虫コーナーでは、水田の周りの幅の狭い畦(あぜ)に、カメムシの仲間だけで60種近くが見つかるなど多様な昆虫がひしめいていること、水質の変化によって水生昆虫の種類がどのように変わるか、新たに侵入した昆虫や害虫化した昆虫についての研究成果などが、多数の昆虫標本とともに紹介されている。

室の奥にはパソコンと大型スクリーンがある。インターネットを使って、農業環境技術研究所で作成された農業環境データベースシステムを利用でき、さまざまな画像情報を大型スクリーンで表示できる。また、顕微鏡で拡大した微小昆虫の画像をこの大型スクリーンに投影して、美しい画像をゆっくり観察・鑑賞することもできる。この室では、農業環境生物の実物の標本とさまざまな情報が閲覧できる。また、本物の標本とその画像情報とが持つ迫力の違いにも驚かされるだろう。

見学について

農業や環境に関心のある方は、ぜひ機会をつくって見学していただき、ご感想やご意見をお寄せ願いたい。なお、見学を希望される方は、事前に当研究所の企画調整部情報資料課(課長補佐席)(電話029−838−8191)にご連絡いただきたい。とくに関心のある分野について早めにお知らせいただくと、その分野に詳しい職員がガイド役として同行することも可能である。

追加情報 (2007年9月)

インベントリー展示館を見学されるときは、「見学の申し込みについて」 をごらんのうえ、当研究所の 広報情報室 広報グループ (Eメール: kouhou@niaes.affrc.go.jp 、電話: 029−838−8191) まで、事前にご相談またはお申込みをお願いします。

現在、インベントリー展示館内には 肥料・煙害展示室 も設置されています。

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