独立行政法人農業環境技術研究所は、平成25年2月25日(月曜日)、つくば国際会議場 (茨城県つくば市)において、第3回 農業環境インベントリー研究会 「農業環境情報の統合データベース構築」 を開催しました。
農業環境技術研究所の農業環境インベントリーセンターは、国内屈指の土壌モノリス標本や130年以上の歴史をもつ昆虫標本、微生物標本を所蔵しています。また、農業環境技術研究所には気象観測、土壌分類、温室効果ガス、放射能モニタリングなど農業環境の研究にかかわる多種多様なデータベースを保有し、一部はすでに一般に公開しています。しかし、公開するデータベースが増えるに従い、それらデータベースの情報をいかに効率的に整理し、多くの利用者に活用してもらうか、という課題が出てきました。
このような背景の下、この研究会では、国内外における環境データベースの統合の現状、農業環境インベントリーセンターがこれまで取り組んできたデータベースの横断的活用法、現在取り組んでいる最新の IT 技術を活用した情報発信システム等を紹介し、参加者の皆さんと一緒に、農業環境情報の統合データベース構築に向けての課題を整理することを目的としました。
この研究会には、農林水産省、都道府県、研究機関、大学、民間企業などから74名の方に参加いただきました。
開催日時: 2013年2月25日(月曜日) 13時−17時15分
開催場所: つくば国際会議場 (茨城県つくば市)
主催: 独立行政法人 農業環境技術研究所
写真1 講演会場内のようす
写真2 土壌モノリス(土壌断面標本)の展示
写真3 昆虫・微生物標本の展示
バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)副センター長で、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授の高木利久教授の基調講演 「ライフ分野における統合データベース構築の現状」 の後、農業環境技術研究所の特任研究員で国立遺伝学研究所教授の菅原秀明氏の司会により、第 I 部(標本・分類からデータベース構築とその利用)で4題、第II部(横断利用から統合化へ)で1題、Webアプリの開発事例として2題の、計7テーマの講演がありました。
第 I 部の終了後には、第1回「土壌インベントリーの整備と有効利用のためのシステム」、第2回「昆虫インベントリーの整備と有効利用のためのシステム」と同様に、会場前で土壌モノリス、昆虫、微生物標本の展示を行うとともに、成果をパネルで紹介しました。
総合討論では、「発信した情報がどのように使われているか知る方法はあるか」 など、インベントリー研究の考え方や進め方について議論され、統合化における課題の整理をすることができました。