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農業と環境 No.182 (2015年6月1日)
国立研究開発法人農業環境技術研究所

農林水産技術会議事務局「研究成果」シリーズ紹介(19):「気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のためのプロジェクト─土壌病害虫診断技術等の開発─」

農林水産省農林水産技術会議の委託プロジェクト研究 「気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のためのプロジェクト─土壌病害虫診断技術等の開発─」( 2011 〜 2013 年度)の研究成果がとりまとめられ、「プロジェクト研究成果シリーズ 537(PDFファイル 8.1 MB、74 ページ)」 として公表されました。

(研究成果 537「序文」より抜粋)

この第 537 集「気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のためのプロジェクト─土壌病害虫診断技術等の開発─」は、農林水産省農林水産技術会議の委託プロジェクト研究として、2011 年度から 2013 年度までの 3 年間にわたり、独立行政法人農業環境技術研究所を中心に実施した研究成果をとりまとめたものである。

土壌病害は、一般的に防除が困難とされ、多くの現場で被害が深刻となっている。この対策として、発病が懸念される地域では、防除暦に従い一斉に農薬処理を行ういわゆるカレンダー防除が実施されてきた。この方法は広域の病害虫管理に大きな貢献をしてきた一方で、防除の必要性の少ない箇所まで処理を行うケースが多いことも指摘されてきた。さらに、近年、土壌消毒による周辺環境への影響も懸念されることから、今まで以上に環境に配慮し、かつ低コストで適切な防除を行うシステムの構築が課題とされている。

本研究は、土壌の生物性、理化学性等の解析データと実際の土壌病害の発病のしやすさを関連付け、例えばヒトが健康診断の結果によって病気に対する治療(投薬の有無等)の方針を決めるように、土壌の状態の「診断」、発病しやすさの「評価」、薬剤使用の有無等の「対策」をセットにしたシステムの構築を目指すものである。

この研究の成果は、今後の農林水産関係の研究開発及び行政を推進する上で有益な知見を与えるものと考え、関係機関に供する次第である

このプロジェクト内で実施された研究の成果が以下に公開されています。

以下に、研究成果 537 から、担当機関やおもな研究課題などをご紹介します。

○研究期間・予算区分

2011 年度 〜 2013 年度
農林水産省農林水産技術会議 気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のためのプロジェクト

○研究担当機関

独立行政法人農業環境技術研究所

独立行政法人(委託先)
農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター

都道府県(委託先)
兵庫県立農林水産技術総合センター、高知県農業技術センター、長野県野菜花き試験場、富山県農林水産総合研究センター、香川県農業試験場、三重県農業研究所

○主任研究者

推進リーダー

(独)農業環境技術研究所 農業環境インベントリーセンター長 對馬誠也

チームリーダー(1 土壌病害虫診断技術の開発)

(独)農業環境技術研究所 農業環境インベントリーセンター長 對馬誠也

○研究課題

1 土壌微生物相解析及び土壌診断票に基づく土壌管理システム(プロトタイプ)の構築

(1) 各地の土壌病害等の土壌微生物相解析及び土壌病害管理システム(プロトタイプ)

2 各種土壌病害の土壌診断技術の開発と土壌診断に基づく管理技術の開発

(1) トマト青枯病管理技術の開発

(2) ショウガ根茎腐敗病管理技術の開発

(3) レタス根腐病管理技術の開発

(4) ダイズ茎疫病管理技術の開発

(5) アブラナ科野菜根こぶ病の総合的管理技術の開発

(6) ブロッコリー根こぶ病管理技術の開発

(7) キャベツ根こぶ病管理技術の開発

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