農業環境技術研究所

最終更新日: 2011年8月29日

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8月の公開セミナー

農業環境技術研究所
セミナー開催記録
8月5日(金曜日) 気象談話会(第512回)

気象談話会
(第512回)

日時: 平成23年8月5日(金曜日)
15:00~17:00
場所: 547号室(5階会議室)
テーマ 講演者 連絡先
地球温暖化と都市昇温問題 近藤純正
(東北大学名誉教授)
児玉
電話 838-8206
内容

近世数百年間は、干ばつ・洪水・冷夏による凶作・飢饉で人々は苦しめられてきた。江戸300年間の平和な時代、教育と治水と潅漑などの国づくりにより大規模な干ばつと洪水は時代と共に克服された。こうして先進国となった今日、こんどは人為的な原因により気候が大きく変わりはじめた。都市では地球温暖化と異なる原因により、地球温暖化量を上回る大きさの気温上昇(熱汚染)がある。地球温暖化と都市の熱汚染が重なり、熱中症による死者が増加する傾向にある。

観測法の時代による変更、そのほか「日だまり効果」などの補正を行い日本のバックグラウンド温暖化量を求めると、この127年間の昇温率は100年間当たり 0.67 ℃であり、4回の気温ジャンプをともなっている。気温と太陽黒点数の間には高い相関関係があり、また気候と海洋変動(漁獲量変動)は密接に関係している。

バックグラウンド温暖化量を基準として求めた91都市の都市化による気温上昇(熱汚染)は、風速が弱いほど、また都市化率が大きいほど大きい。特に最低気温が下がり難くなった。その主な要因は、都市構造物の熱パラメータ(熱容量と熱伝導率の積)が大きくなったことであり、ほかに緑地の減少、人工熱の増加、ビルの高層化などがある。

大気混濁係数は大戦中・直後の極小から 1960 年代に極大となり、その後若干下がる傾向にある。都市では熱汚染の増加と水蒸気供給源の減少により相対湿度が低下し、その結果として霧日数が少なくなった。また粗度の増加により平均風速は弱くなったが、最大瞬間風速の減少はわずかである。

熱中症対策の指標となる半湿りの黒球温度、人体の蒸発効率(植物の気孔と人体の汗腺の類似性)、緑のカーテンの効果、都市昇温の緩和策などについて熱収支的観点から議論する。

今後、エネルギー消費が増えると熱汚染が地球規模に広がることになる(第2の地球温暖化問題)。エネルギー消費を抑えた社会を目指したい。

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