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QⅤ-2 遺伝子組換え農作物(食品)の安全性を評価する概念『実質的同等性』とは何ですか?

 『実質的同等性』とは、遺伝子組換え農作物(食品)の安全性評価の基本的な考え方で、食経験のある既存の食品と比べて安全性を評価するというものです。 例えば、食用の遺伝子組換えイネを開発した場合、既存の非遺伝子組換えイネと比較して安全性を評価できるか否かを判断し、比較することができると判断したら、非遺伝子組換えイネと安全性を比較する考え方です。

 遺伝子組換え農作物(食品)と、これまで安全に食べられてきた農作物(食品)との間で、以下の各要素について検討します。

遺伝的素材に関する事項
広範囲なヒトの安全な食経験に関する資料
食品の構成成分などに関する資料
既存種と新品種の使用方法の相違に関する資料

 遺伝子組換え農作物(食品)と非遺伝子組換え農作物(食品)の栄養成分等に差異がなく、導入された遺伝子により新たに作られるタンパク質の安全性が確認されれば、遺伝子組換え農作物(食品)が非遺伝子組換え農作物(食品)と同程度の安全と判断されて、安全であるとされます。

 一方、高オレイン酸ダイズなど栄養成分を改変した遺伝子組換え農作物が開発されています。この場合、改変されたオレイン酸については組成の似ているオリーブオイルと比較し、それ以外の点は従来のダイズと比較するのが合理的と考えられています。