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主に温室内の幼苗で発生する斑点性の糸状菌病。葉に紡錘形、灰白色の病斑を生じ、温室内ではまれに多発するが、圃場では刈り取り後に再生したひこばえで発生することがある。病原菌はメヒシバのいもち病菌とされるが、イネやシコクビエのいもち病菌も関与しているなど、生態はまだ良く分かっていない。 |
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冷涼地で被害の大きい糸状菌病。葉や葉鞘に、中央部灰白色、周縁部褐色、円形、大きさ1ー3mmの病斑を多数形成する。病斑部を日に透かしてみると、周囲に淡黄色水浸状のかさができているのが特徴である。特に風当たりの強いところで発生が多い。病原菌は比較的低温で良く生育し、寄主範囲は狭い。 |
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べと病の一種の糸状菌病。日本でトウモロコシに発生している唯一のべと病。梅雨期に入ると、黄色〜黄褐色、葉脈で区切られ、長方形〜条状、長さ0.5〜2cm、幅3ー7mmの病斑が現れる。後にこの病斑が長く延びて、赤紫色になり、葉全体が枯死する。発生は下葉にとどまることが多く、被害は現在のところ,あまり大きくはない。発生には土壌温度30℃前後が好適である。病原菌はメヒシバ類にも寄生するとされる。 |
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植物体の奇形を伴う糸状菌病。梅雨明け頃から、外部は白色で中に黒い粉のつまったゴール(肥大組織)を形成し、葉、節、穂に発生する。ゴールは成熟すると表面が破れ、中の黒い粉(黒穂胞子)を飛散してまん延する。黒穂胞子は厚膜胞子でもあり、地面に落ちて翌年の伝染源となり、地中で5年位は生きているとされる。病原菌には多数のレースおよびバイオタイプがあるとされるが、日本では未確認である。 |
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出芽時に多湿条件にあうと苗が枯死する糸状菌病。種子が感染して出芽しないこともあるが、出芽後3ー4葉時に苗が萎凋枯死することが多い。葉は初め灰色のすじが入ったようになり、この時根は完全に褐変し、表面は菌糸に覆われる。病原菌にはピシウムとフザリウムがあり、ピシウムは低温時に、フザリウムは高温時に発生することが多い。 |
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九州で大きな被害が報告されているさび病。乳熟期を過ぎた頃から発生し始め、下葉よりむしろ上葉から病斑が現れることが多い。高温、高湿度の条件で多発し、葉全体が黄化、乾燥して、畑全体が黄色く見えることもある。夏胞子堆は黄〜オレンジ色、円形〜楕円形、長さ1〜3mm、幅0.5〜2mm程度で、やや楕円形の夏胞子を多数形成する。夏の終わりから秋にはさび胞子堆が褐色になり、冬胞子を形成する。 |
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全国的に発生し、株が黄熟期に萎凋する重要な糸状菌病。初め根が褐変し、黄熟期を過ぎると一気に枯れ上がり、植物体全体が黄色くなる。また、雌穂が垂れ下がるのが特徴の一つ。稈内部は空洞化し、軟化するため機械でうまく刈れなくなる。病原菌はべん毛菌類であり、遊走子が水中を泳いでまん延する。また、本菌は様々なイネ科の作物及び雑草に寄生するとされ、これらが伝染源となっていると考えられる。 |