コラム
貯蔵食品害虫の防除法について
貯蔵食品害虫の防除には、長年臭化メチルを用いたくん蒸処理が行われてきました。しかし臭化メチルにはオゾン層破壊作用があるとして、モントリオール議定書によりその全廃が決まりました。
【臭化メチル】
日本を含めた先進国 → 2005年に生産中止
途 上 国 → 2015年に全廃予定
そのため、臭化メチルに代わる殺虫技術の開発が急務になっています。ただし、植物検疫における殺虫では、現在でも臭化メチルによるくん蒸が許可されています。



現在、食品存在下において食品害虫の殺虫に使用可能なくん蒸剤は、リン化水素(ホスフィン)と炭酸ガス(CO2)だけです。倉庫やコンテナの殺虫については、有機リン系やピレスロイド系の殺虫剤が使用できますが、貯蔵食品に直接噴霧することはできません。

食品工場や倉庫では、清掃を徹底し、害虫の侵入防止に心がけ、性フェロモンを利用したトラップを用いて害虫の発生状況を把握しておく必要があります。
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更新日:2019年02月19日