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主に北海道で発生する葉枯性の糸状菌病。初め葉に赤褐色の斑点を形成するが、これが長く伸びて中央部灰白色、周縁部赤褐色の長楕円形病斑となる。大きさは長さ1ー3cm、幅1ー3mm程度で、病斑の境界は明瞭である。多発すると、病斑が相互に融合して葉枯状態となる。 |
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春先から発生する葉枯性の糸状菌病。葉の先端付近から淡褐色、長方形から長楕円形、大きさ2ー5×1ー2mm程度の病斑が形成される。病斑周辺は黄化することが多い。多発すると病斑が相互に融合し、葉枯を引き起こす。病原菌はヘルミントスポリウム菌で、チモシーにのみ寄生する。 |
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2011年6月、北海道新得町、清水町および日高町のチモシーで発生した。病徴は葉の先端が白く枯れ、葉身全体が展開できずに巻くように枯れ上がる。病斑は楕円形から不定形で、周縁部は淡褐色、中心部は白色となり、表面には灰黒色、球形〜亜球形、表面平滑、直径1-3 mmの菌核を連なって形成する。罹病個体は草地にパッチ状に広がる。病原菌はオーチャードグラスおよびリードカナリーグラスには病原性を示さない。本病はシバムギでも発生する。
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全国で発生し、草地の夏枯の一因となる重要な糸状菌病。初め灰緑色、水浸状に葉が変色し、やがてゆでたように軟化していく。さらに病気が進むと、茎や葉が倒れて重なって腐り、これをつづり合わせるようにしてくもの巣状の菌糸が見られる。罹病植物上には、明褐色〜褐色、直径5mm程度の菌核が形成される。この時点で草地はつぼ状に枯れ、徐々に裸地化が進む。病原菌はほとんどのイネ科及びマメ科牧草を侵すきわめて多犯性の菌。TA菌およびTB菌が関与する。
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北部及び高冷地で最も一般的なチモシーの斑点性病害。春から秋にかけて発生するが、夏に最もまん延する。初め紫黒色の小点であるが、後に中央部灰白色、周縁部紫黒色の円形病斑となる。病斑の大きさは直径2ー3mm程度だが、多発すると葉先から巻き上がるように枯れる。病原菌はチモシーにのみ寄生する。 |
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関東で発生する、葉に大型の斑点を生じる糸状菌病。初めは紡錘形、銅色の小斑点を葉に生じるが、やがて葉を横切る大きな病斑となり、銅色の不規則な豹紋状となる。後に病斑が融合して葉枯を引き起こす。古い病斑では小黒点(菌核)が認められることがある。病斑周辺はあまり黄化しない。病原菌はソルガムなどの菌と同種だが、寄生性は若干異なるとされる。 |
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冷涼地で発生する斑点性の糸状菌病。葉および葉鞘に発生し、病斑内部は灰白色、周縁部は褐色の細い縁状となり、長さ1ー2mm程度の角斑となる。病斑は葉脈で区切られ、境界のはっきりした明瞭なものとなる。病斑上に形成される柄子殻内の胞子が風雨で飛散してまん延する。 |
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さび病の一つだが、被害はさほど大きくない。葉、葉鞘および稈の表面に橙黄色、楕円形、長さ1mm程度の腫れ物状の病斑が縦に連なるようにできる。病斑は成熟すると表面が破れて夏胞子を飛散させる。冬胞子堆は葉では裏に生じることが多く、灰黄色、あまり隆起しない。病原菌はケンタッキーブルーグラスの黄さび病菌が寄生したものとされる。 |