研究代表者氏名及び所属
嶋田 幸久(独立行政法人理化学研究所植物科学研究センター)
研究実施期間
平成21年度~25年度(5年間)
研究の趣旨・概要
オーキシンは植物の成長をあらゆる局面で制御する非常に重要な植物ホルモンである。本課題では既に同定しているオーキシン生合成阻害剤をプローブとして活用して、オーキシン生合成経路とオーキシンの働きについて解析する。さらにオーキシン生合成制御により引き起こされる植物の形態的・生理的変化や、作物生産性に与える影響などの知見を集積する。オーキシンの機能に関する基礎的知見と、効果的にオーキシンを制御するための知見を集積し、植物の成長を調節するための新しい知的基盤を構築する。
研究項目及び実施体制(()は研究分担者)
- オーキシン生合成と関連遺伝子の解析
(理化学研究所植物科学研究センター 嶋田幸久) - オーキシン生合成経路と阻害剤作用の解析
(近畿中国四国農業研究センター 添野和雄)
期待される成果、効果
本研究は、オーキシン生合成や作用に関する新たな知見を提供すると共に、ここで生み出される生合成阻害剤は様々な植物種におけるオーキシン研究を活性化すると期待される。一方、これまでに様々な植物ホルモンの合成阻害剤が農作物の栽培技術に利用されているが、オーキシン内生量を抑制する技術は存在しなかった。従って、オーキシン合成阻害は新たな除草技術開発のシーズにもなり得る。本研究の成果は、これまでにない新しい栽培技術の開発に将来的に波及することが期待できる。