平成20年度 研究成果報告
糖化物の効率的発酵プロセスの開発と評価
秋田県農林水産技術センター 総合食品研究所 環境・食品安全グループ
研究紹介
発酵システムの簡略化による低コスト生産を目指して、Pichia stipitisを用いてエタノールを効率よく生産するシステムの開発を行った。
P.stipitisの特徴と課題
- グルコースおよびキシロースをエタノールへ変換可能な、自然界より分離された菌
- グルコースからの変換速度がSaccharomyces cerevisiaeより遅い
- グルコースによるカタボライトリプレッションを受ける
- エタノール耐性がS.cerevisaeより低い
図1 バイオエタノール生産に及ぼす界面活性剤の添加効果
○エタノール生産速度およびエタノール耐性を向上するための検討
界面活性剤を添加することにより、発酵速度および収率が上昇(図1)。
○エタノール生産に及ぼす初発酵母濃度の影響
初発酵母濃度が高いほどエタノール収率が高くなる。
○エタノール生産に及ぼす窒素源の影響
エタノール生産速度は、窒素源および濃度に依存する。