活動報告
第15回 国際微生物生態学会 参加報告
生物生態系機能研究領域の多胡任期付研究員が、海外出張支援を受けて2014年8月26日~30日に韓国ソウルで開催された第15回 国際微生物生態学会に出席されました。以下、多胡任期付研究員からの報告になります。
第15回 国際微生物生態学会 参加報告
生物生態系機能研究領域 任期付研究員 多胡香奈子
2014年8月26日~30日に韓国ソウルで開催された第15回 国際微生物生態学会に出席してきました。本大会は2年に1度、陸域や水圏に生息する微生物や、動稙物に共生したり病原性をもたらしたりする微生物の生態を対象とする研究者が一堂に会する国際学会です。
今回は30のセッションに分かれ、5日間の大会期間中に招待講演112題、口頭発表288題と1600を超えるポスター発表が行われたのに加え、10名のkeynote スピーカーによる講演が行われました。招待講演では微生物生態学研究を牽引するグループのリーダーが発表し、彼らの研究コンセプトとその事例を聴くことが出来ました。また口頭発表では世界の研究動向を把握したり、今後の研究方針のヒントになる情報を得ることが出来ました。ポスター発表では、似た研究を行っている研究者と直接話をすることで、自分の研究を違う視点で見直すきっかけとなりました。その他に会場には自由な議論をするためのラウンジが設けられており、交流を深めることが出来ました。 今回の学会では多くの女性研究者が発表していました。また招待講演で紹介された研究にも多数の女性研究者が関わっていました。加えて学会の次期代表も女性に決定し、世界での女性研究者の活躍を実感しました。 今回学会に参加することでとても充実した数日間を過ごすことが出来ました。素晴らしい機会を与えていただき感謝しています。
発表の模様
子育て支援・ランチョンセミナーを開催しました。(2014年3月12日)
2014年3月12日にランチョンセミナーを開催しました。講演者は生物多様性領域の吉村泰幸さんでした。「男性職員の育児参加について」という題で、自己紹介に続き、育児に関する話題をご提供頂きました。
今回、初めての試みでしたが、非常に活発に意見交換ができましたので、第2回以降も開催してゆきたいと考えています。
グローバルDNDCネットワーク国際会議2013参加報告
物質循環研究領域の片柳特別研究員が、海外出張支援を受けて2013年9月14日~17日に中国北京市で開催されたグローバルDNDCネットワーク国際会議2013に出席されました。以下、片柳特別研究員からの報告になります。
グローバルDNDCネットワーク国際会議2013参加報告
物質循環研究領域特別研究員 片柳薫子
2013年9月14~17日に中国北京市で開催されたグローバルDNDCネットワーク国際会議2013に出席してきました。DNDCはDeNitrification-DeComposition(脱窒と分解)の略で、土壌-植物系におけるエネルギー・水・炭素・窒素の動態を予測し、土壌・植物からの温室効果ガス排出量を予測するモデルの名前です。グローバルDNDCネットワークはこのDNDCモデルの開発と検証に携わる研究者の情報交換の場として2008年に構築されました。ネットワークに登録しているメンバーが集まる会議の第1回目は2009年に開催され、今回は4年ぶり2回目の開催でした。一般の国際会議において、開催告知は1年近く前からされるのが一般的です。しかし、今回はわずか4ヶ月前でした。そのためか、中国外からの参加者は13名と少なかったですが、多くの中国人研究者・学生が会議に参加していたため、全体では100名程度の会議でした。
会議では最初にモデル開発者のLi先生によるモデルの構造と開発哲学に関する基調講演があり、続いて、アメリカ・イギリス・ウガンダ・カナダ・台湾・中国・デンマーク・ニュージーランド・ブラジル・ポーランドでの取り組みについての報告がありました。私はDNDCを水田用に改良したDNDC-Riceというモデルを日本での観測値を用いて検証した結果について報告しました。DNDCに比べて予測精度が高いのか、どのような観測値を使って検証しているのか等の質問を受け、参加者に興味を持ってもらえたという手応えがありました。
私にとって国際会議への参加は、最新の研究動向を把握し、その中での自分の研究の位置づけを確認するためのよい機会です。また、国際会議への参加は研究に対するモチベーションを向上させ、自分自身の成長を実感させてくれる機会でもあります。前者に関して、今回は、モデル検証の際に直面する解決すべき課題が研究者間で共通したものであることを確信し、適切な研究アプローチができていることを確認できました。後者については、これまでは学会参加後に「研究(と英語学習)をもっとがんばろう」というように漠然とモチベーションが上がっていたのですが、今回は「この研究コミュニティにおいてどのような貢献ができるか」「今後どのような研究を重点化していくべきか」「自分が国際学会を主催するとしたらどのようなスケジュール・タイムテーブルにするか」といったことを具体的に考えられるようになっていることに気がつきました。
短い期間ではありましたが、今回の会議では他にも多くの刺激をもらうことができ、非常に有意義な学会参加となりました。このような機会を与えてくださいました女性研究者のキャリア育成支援に心より御礼申し上げます。また、国際会議・学会への参加を検討中の、あるいは、躊躇されている女性研究者のみなさまへ、これはと思う会議があればともかく参加登録し、この制度を活用して参加することをお勧めします。国際会議・学会への参加は、間違いなくご自身の研究の発展にプラスの効果をもたらすものと確信します。

会議の模様
海外出張支援による酵母国際学会「Yeast2013」参加報告(2013年8月29日-9月2日)
北本主任研究員(生物生態機能研究領域)が、海外出張支援を受けて2013年8月29日から9月2日まで、ドイツのフランクフルトで開催された International Conference on Yeast Genetics and Molecular Biologyに参加しました。以下、北本主任研究員からの報告になります。
国際学会から得るもの ~酵母国際学会「Yeast2013」参加報告
生物生態機能研究領域 北本宏子
酵母の遺伝学・分子生物学では最大規模の国際学会である、International Conference on Yeast Genetics and Molecular Biology「Yeast2013」が、2013年8月29日から5日間、フランクフルト大学で開催された。700名以上の参加者があり、盛況であった。この研究会は、従来、パン酵母の基礎研究が中心であったが、26回目を迎える「Yeast2013」では、最終日に、パン酵母以外の、産業用酵母(Non-conventional yeast)に関するサテライトシンポジウムが設けられた。次回27回目は、産業用酵母の専門家AndriySibirnyが世話人をすることが決まった。Andriyが、「次回は、サテライトではなく、本会に産業用酵母のセッションを設けるから、ぜひ参加してほしい。」と私に約束したように、世界の酵母研究は、今、基礎から応用へ流れが変わりつつある。
私は、「Yeast2013」サテライトシンポジウムでの講演依頼を受け、農環研女性支援事業と生物生態機能研究領域の支援で、本学会に参加することができた。植物表面常在酵母由来の生分解性プラスチック分解酵素を大量に分泌生産させ、農地で使った生分解性プラスチック製資材の酵素処理による分解促進に用いる技術開発と、その酵素が、プラスチックという固体表面を分解する様子を紹介した。ドイツをはじめヨーロッパでは、生分解性プラスチックの導入に熱心であるため、聴衆は、研究のコンセプトに深い興味を示しただけでなく、植物常在菌自身の生活で、酵素を生産する機構や用途を知りたい、という質問が多かった。私たち自身、今後調べていきたいテーマである。
学会へ出発する前に、ラボの若手に「英語の口頭発表の方法がわからないため、練習を見たい」と言われた。恥ずかしながら、私のプレゼンテーションは(英語でも日本語でも)、発表日直前まで、人影の無いところで「声に出して」発表練習を重ねて作る。バックグラウンドが無い相手でも理解できること、時間を守ることにポイントを置き、会場への往復の路上、公園のベンチや宿での「一夜漬け」によって、発表の時間に最良のプレゼンができるよう作り上げていく。研究者は時として「芸人」になり、聴衆に楽しい一時を提供するものだと思っている。
国際学会では、海外の情報がリアルタイムで入手できるだけでなく、国内外の専門分野の研究者との出会いは、私の研究活動の支えとなってきた。従来は「雲の上」の権威ある先生とも、国際学会会場では、簡単に「友達」になれる不思議な空気が流れている。私の職場は、酵母の専門家が少ないが、私が酵母の研究を進めるうえで、共同研究や、学会での役務、今回の口頭発表のような講演の推薦を受けるといった、研究者として一人前になるための支援の多くは、振り返ってみ ると、学会で出会った国内外の先生方から受けている。
国際学会では、論文の紙面からは想像できない、権威ある先生の人間性を知ることもできる。今回の学会で、鶏の抗ウイルスワクチンを酵母で生産させた成果を発表した、ドイツの女性研究者、Karin Breuingとは、20年以上前、毎年小さな学会で顔を合わせていた。当時、別居結婚で出産時期について悩んでいた私に対して、Karin自身が、東西ドイツが合併したときに、ベルリンの東側で職を見つけ、夫婦で西から移動することで、研究と家庭が両立できた、と話してくれた。そんな風に、年上のKarinからは、様々な雑談を通じて、ロールモデルを示してくれただけでなく、国際共同研究の仲介等、国境を越えた支援を受けてきた。今回の学会開催後には、国際誌のエディターとなったKarinから、「査読依頼」が飛び込んできた。Karinからの依頼は、特にしっかり対応しようと思う。
国際学会では、研究者人生の「チャンスカード」なのである。

会議における発表の模様
内閣府男女局「チャレンジ・キャンペーン」リニューアルとロゴデザインの募集のお知らせ
農業環境技術研究所では男女共同参画活動の一環として、内閣府男女共同参画局が行っている「チャレンジ・キャンペーン~女子高
生・女子学生の理工分野への選択~」に協力団体として参加しています。
このたび、理工系分野における女性の活躍をより促進するため、「チャレンジ・キャンペーン」をリニューアルし、タイトルを「理工(リコウ)・チャレンジ
(通称:リコチャレ)」としてリニューアルされることとなりました。
現在、リニューアルにあわせて『理工(リコウ)・チャレンジ(通称:リコチャレ)』のロゴデザインが募集されています (リンク先URLが見つかりません。2015年10月)。ご興味のある方は、積極的にご応募下さい。
詳細につきましては、上記のサイトをご覧下さい。
海外出張支援で国際学会(チリ)へ行ってきました(2013年3月4-8日)
村田特別研究員(生物多様性研究領域)が、海外出張支援を受けて2013年3月4日から8日まで、チリのプコンで開催された4th International Symposium on Biological Control of Arthropodsに参加しました。
<村田研究員の報告から>
本大会は、主に農業・森林害虫に対する生物的防除分野の研究者が、4年に1度、会するシンポジウムです。今大会では約200人が参加し、口頭97題、ポ
スター88題が発表されました。全てのセッションが1つの会場で行われたため集中して聴くことができ、また私自身は「ハムシとその天敵である寄生蜂の大量
飼育」について発表しましたが、予想以上に多くの方からコメントを得ることができました。
学会期間中は、合同昼食会の他に、午前・午後の発表の合間と発表終了後の夜の時間帯に、参加者同士が交流するための時間が多く設けられていました。おか
げで、特にこれまで接する機会が少なかったチリをはじめとする南米の研究者と情報交換することができただけでなく、夜の交流会の後に、果樹害虫の防除や、
施設内での天敵利用に取り組んでいるカナダの研究者と食事をすることができ、幸いでした。
また国内の昆虫分野の学会に比べ、活躍している女性研究者の数が多く、お子さん同伴での参加者が目に付きました。研究と家庭の両立に対して、女性研究者
もそのパートナーもより積極的に向き合っているのも印象的でした。
本学会に参加した5日間は、大変刺激的で充実した時間を過ごすことができました。このような貴重な機会を与えていただきました女性研究者のキャリ ア育成支援に心より感謝いたします。
学会会場
ポスター展示の様子
採択された事業について (2013年2月)
海外出張1件を採択しました。
厚生労働省ポジティブ・アクション ポータルサイトで農環研の取り組み紹介をしました。(2013年1月)
厚生労働省が運営するポジティブ・アクション ポータルサイトでは、企業の女性の活躍促進に対する取り組みの事例を業種や規模別に実名で紹介して
います。当所も女性研究者活動支援の取り組みを中心に、内容を公開しています。
http://www.positiveaction.jp/pa/search/detail.php?company_id=873
農環研での取り組みに興味を持ってくださる女子学生が増えると良いと考えています。
第5回サイエンスカフェが開催されました(2012年12月8日)(広報情報室)
http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/magazine/153/mgzn15305.html
つくば男・女(みんな)のつどい2012に参加しました(2012年12月8日)
つくば市が主催する『つくば男・女(みんな)のつどい2012「いのちが輝く男女共同参画」』に参加しました。本イベントでは、つくば市内で男女
共同参画の推進に資する活動を行っている団体・事業所の活動を市民に発表し、活用してもらう機会として毎年開催されています。
(企画戦略室男女共同参画推進窓口担当 山中)
DSO第2回懇話会に出席しました(2012年12月5日)
産総研主催のDSO(ダイバーシティ・サポートオフィス)懇話会に参加しました。
今回のお題は、ずばり「キャリア形成支援」でした。これまで理系を目指す女子学生から女子大学院生、ポスドク、女性研究職員にいたるまで、様々な
キャリア支援が行われており、大学院における女子学生の比率は徐々に上昇しつつあります。
ところが、この増加の解釈には注意が必要です。文科省科学技術政策研究所「日
本の大学教員の女性比率に関する分析 」をみると、大学院における女性比
率の上昇に大きく貢献しているのは、何と女性外国人留学生のようである、と言う悲しい現実が浮かび上がってきます。
もちろん、外国人留学生であっても、日本での女性の科学分野への進出に貢献していただければ問題はないのですが、現実には多くの留学生は帰国するか第3
国へ転出します。あまり日本の女性研究者増加には寄与しないでしょう。では、どうすれば実質的に日本の女性研究者の数を増やしていけるのか?もちろん答え
の出ない議論ではありますが、一般向けの公開講座の効果の検討から女性限定公募の是非まで、幅広く議論が行われました。ただ救いとしては、大学院修士課程
までは、着実に日本人女子学生の数が増えてきていると言うデータがあります。博士課程へ進学してもらいその先の女性研究者の割合を増やしていくためにも、
博士研究者がもっと魅力のある職業に見えるように、我々も努力しなくてはならないでしょう。
採択された事業について (2012年12月)
英語論文作成支援1件を採択しました。
科学コミュニケーション研修に参加しました(2012年11月29日)
農研機構が主催している合同研修の中の一部『科学コミュニケーション研修―非専門家に研究を伝える―』に参加しました。日本科学未来館の専門員の 方々が講師を務める実践形式の研修です。前日所内掲示板でのショートノーティスにもかかわらず、農環研から5名の参加がありました。
研修ではまずイントロとして、そもそも「科学者」とはなんぞや、なぜ市民との対話が必要なのか、科学技術発展の歴史をひもといて解説がありまし
た。近年、世界各国で理科離れが進んでいますが、その根底には科学コミュニケーションの欠落があるとのこと。日本でも、東海村臨界事故や福島原発事故な
ど、最先端の科学の場で不慮の事故が立て続けに起こっていますし、さらに地下鉄サリン事件に対しては、科学が悪意を持って人を傷つけうるという科学に対す
るネガティブイメージが広がりつつあります。もちろん地下鉄サリン事件は、カルトの問題が根底にあって科学それ自体とは関係ないのですが。少しでも科学と
実生活の距離を縮めるためにも、科学コミュニケーションは重要です。
現在、サイエンスカフェなど一般対象の科学セミナーが盛んに開催されています。その多くは、学術用のプレゼンを一般にも分かりやすいように噛み砕いて解説
するパターンが多いように見受けられます。しかし、本来の科学コミュニケーションは、上から物を教え給うレクチャーではなく、同じ目線で科学を論じる、ア
イデアを共有する作業だそうです。意見の多様性を受け入れた上で、市民と一緒に考える姿勢が重要とのこと、若干耳の痛いお話でした。
ワークショップでは「3分間で専門用語を説明するワーク」、「一般向け教室を企画してプレゼンする研究者トーク」が行われました。3分間で専門用 語では、短い時間で、専門知識のない相手に納得させる技術について講義がありました。実際に自分でやってみると、なかなかその場でわかりやすく解説するこ とができず、何度も人の前で恥をかいて学習してゆくのかなぁ~と感じました。「研究者トーク」では、プレゼンの最初にセールストークを仕込んで「おぉ面白 そうだぞっ」と足を止めてもらうことが最も重要、プレゼンの最後には、その内容がどんな意味を持つのか締めくくりの言葉をつけることで「わかったぞ」と言 う気分を感じてもらうと満足度があがる、などなど、技術的なコツについても解説してもらいました。
今後とも有益なセミナー、研修の情報を随時お知らせしますので是非活用してください。
(企画戦略室男女共同参画推進窓口担当 山中)
女性研究者研究活動支援事業合同公開シンポジウムへ行ってきました(2012年11月20日)
11月20日にJST東京本部で開かれた合同シンポジウム『今後の女性研究者研究活動支援について』に出席しました。このシンポジウムでは、女性
研究者研究活動支援事業に参加している日本全国の研究・教育機関から事業担当者が集まり、これまで実施してきた事業の成果を検証しつつ、問題点や改善点の
洗い出しを行って、次の支援の方向性を探る内容でした。
http://shincho.jst.go.jp/josei_sympo/html/ (リンク先URLが見つかりません。2015年10月)
午前中はポスター発表が行われ、農環研からも「双方向キャリア形成プログラム 農環研モデル」について事業終了後の取り組みなどを紹介しました。 引き続き行われた分科会では、東京農工大学や奈良先端科学技術大学院大学など理科系大学や、つくばの研究独法と一緒に、理工農学系機関での取り組みと問題 点について話し合いました。女性研究者支援のための後継事業(JST女性研究者養成システム改革加速)を実施している大学では、女性限定の公募などを実施 することで女性のためのポストを維持することができますが、それ以外の研究機関では、厳しい競争環境・財政事情のなか、なかなか苦しんでいるようです。女 性研究者のキャリアアップについては、各機関それぞれの支援が成果を上げているようでした。ただ、女性研究者の中には、管理職を希望しない人も多いそうで す。管理職と言っても、マネジメントなのか研究リーダーなのかによって、大きく業務内容は異なります。女性研究者には積極的に研究リーダーの任を引き受け て頂きたいのですが、同時に、マネジメントのための管理職にも付いて欲しいと思います。それが将来の女性研究者の数を増やし、男女共同参画を推進すること になるのではないでしょうか?また、中堅大学や大学院大学では、キャリアアップ=異動となるケースが多く、優秀な女性研究者を育てても実績として表れてこ ない、などの悩みも紹介されました。日本全体で優秀な女性研究者による底上げに貢献していると考えれば、大いに価値のあることですが。
午後は、文部科学省による事業説明に続き、分科会の内容を踏まえてパネルディスカッションが行われました。おおよそ各分科会から上がってきた問題
点を総括する内容でしたが、その中で女性管理職員がなかなか増えてこないことについて、「日本的な遠慮の文化が大きく影響している」という面白い指摘もあ
りました。野心的なポジションに対して、多くの日本の女性研究者は「私が手を挙げても良いのかしら?」とまず感じるのではないでしょうか?日本の女性研究
者自身が、野心的になってどんどん活躍の場を切り開いていく努力も必要ですが、管理職に推薦する側(多くの場合男性)も、そうした奥ゆかしい反応をちゃん
と判ってあげた上で、手を挙げやすい環境を作ってあげる努力も必要なのかも知れません。それ以上に、日本の管理職のイメージが悪いのかも知れません。男性
女性にかかわらず、激しく忙しくて報酬もさして多くならない管理職になるメリットが見つけられないというか・・・
(企画戦略室男女共同参画推進窓口担当 山中)
農環研のポスターは こちら
採択された事業について (2012年10月)
英語論文作成支援2件を採択しました。
第4回ロールモデル講演会を開催しました。(2012年10月16日)
10月16日に海外ロールモデルによる講演会を開催しました。今回は、イギリス出身で、トロムソ大学(ノルウェー)で教鞭を執られているクーパー
博士をお招きし、農環研海外女性ロールモデルセミナー「英国およびノルウェーの女性研究者の生活をチラ見する」を開催しました。
所内を中心に多数の参加があり、講演後には数多くの質問が寄せられ、時間いっぱいまで賑やかな討議が続きました。
セミナーでは、美しい写真を交えたノルウェーの文化や社会的な背景の説明に続き、ノルウェー及び英国の高等教育の概要、トロムソ大学や長年在席さ
れていた スバルバード大学センターの様子について解説いただきました。
ノルウェーは、北海油田が開発されて以来豊になり、女性常勤研究者のみならず女性ポスドクでも、産休・育休のオプションが充実していること、男女共同参
画を推進する取り組みが進んでいることをご紹介いただきました。一方、博士課程に進学する女子学生の割合はノルウェーでも非常に低いそうです。その原因
は、1.野心的で自立的・行動的な女子学生が少ないこと、2.引っ越しを嫌うこと(配偶者・パートナーと同居を望む)などを指摘されていました。男女共同
参画・ワークライフバランスが非常に進んでいるイメージのノルウェーでも、日本と同じような問題もあるようです。我々がノルウェーに学んで良くなる部分
と、世界共通の未解決の部分があるのだと考えさせられました。
サマー・サイエンスキャンプ2012 in 農環研に参加しました。(2012年8月1-3日)
サマー・サイエンスキャンプ2012 in 農環研で、キャリアガイダンスを行いました。
採択された事業について (2012年8月)
海外出張2件、英語論文作成支援1件を採択しました。
第3回メンター交流会を開催しました。(2012年7月23日)
7月23日(月)に、第3回メンター交流会を開催しました。お昼休みを利用し昼食をとりながら、先輩研究員(メンター)の皆さんと若手研究者の皆 さんの交流の時間を持ちました。
今回は、前回よりも多い35名の参加があり、質問コーナーでは、就職に関すること、子育てと研究との両立の工夫、危機対処法、など多くの質問が寄 せられ、メンターさんから丁寧な回答がありました。フリータイムでも積極的にメンターさんに質問したり、逆に若手研究者の皆さんへアドバイスがあったり と、活発に交流していただきました。
今後も皆さんのご要望にお答えして交流会を企画いたします。話しやすい環境を作り、多くの方に日頃の疑問や将来への不安の解消などに役立ててもら えればと思います。
第1回 DSO総会・懇話会に参加しました。(2012年6月6日)
DSO(ダイ
バーシティ・サポートオフィス)は、産総研を中心に全国19機関が集まって、女性研究者支援・男女共同参画などについて意見交換を行うコミュニ
ティです。今回H24年度の総会に行ってきましたが、今年度の活動計画や、今年度開かれるキャリアアップや育児・介護に関するセミナー予定が紹介されまし
た。また、今後DSOをどうして行くかについて各参画機関から意見がありました。産総研は、森林総研と同時にH19年に女性研究者支援モデル育成事業を実
施した古株であることもあり、女性研究者のみの支援から、男女を問わず若手研究員、外国人研究者、シニア研究者、一般事務職にいたるまで幅広くダイバーシ
ティを応援していく取り組みにシフトしつつあるそうです。最近では、シニア層から介護や生活設計などの情報提供のニーズが多いそうです。一方、「女性研究
者支援もまだまだなのに次の段階には移れない」、「社会全体で男女共同参画の法整備が進んできたので、ようやく所内でも取り組みをはじめた」など、各機
関、様々な台所事情のようです。
引き続き行われた懇話会では、メンタリング制度について議論しました。上智大学では、大学の特徴である国際性を活かしたグローバル・メンター制度
を実施しているそうです。OB・OGを活用したり、海外の女性研究者をメンターに起用したりと、なかなかユニークな取り組みです。制度実施当初、どうやっ
て利用して良いか判らない、あまり認知度が上がらないなどの問題があったそうですが、1対1の個別相談ではなく、グループでの面談を行うなど改良を続けて
いるそうです。
http://www.erp.sophia.ac.jp/Projects/wrsupport/support/index.html
その他、各参画機関からもそれぞれメンタリングに関する取り組みの紹介がありました。各機関、利用実績が増えないという、共通の課題を抱えている
ようです。職人の世界では「学ぶよりまねろ」とよく言いますが、あこがれの先輩研究者に少しでも近づこうとして研究以外でも薫陶を受けるという行為は、研
究の質を上げるだけでなく人間的な成長にも有効ではないでしょうか。なにかメンタリング制度をうまく活用してもらうアイデアが見つかると良いのですが。
(企画戦略室男女共同参画推進窓口担当 山中)
第1回 ワーク・ライフ・バランスセミナーに参加しました。(2012年5月18日)
ダイバーシティ・サポート・オフィス事務局主催の、第1回 ワーク・ライフ・バランスセミナー「ココロとフトコロを元気に ~こんな時代のライフ&マネープラン~」に参加しました
http://unit.aist.go.jp/diversity/ja/event/120518_wlb_seminar.html
ニュースレター「これからの女性研究者支援について号」を発行しました。(2012年4月27日)
ニュースレター「これからの女性研究者支援について号」を発行しました。
詳しくは、こちらをご覧ください。