農業生物資源研究所(生物研)は、植物ウイルス研究所、農業技術研究所および蚕糸試験場の一部と統合し、農学及び生命科学分野における先端研究を進めるべく農業生物資源研究所として昭和58年(1983年)12月に 新設されました。生物研が、新たなスタートを切った2年後の昭和60年(1985年)には、つくば市で科学万博が開催されました。国立であった生物研は、平成13年(2001年)には、独立行政法人化され、現在に至っています。
2001年には、蚕糸・昆虫農業技術研究所並びに畜産試験場と家畜衛生試験場の一部と統合し独立行政法人となり、イネ等の作物、カイコや害虫等の昆虫、さらにはブタ等の家畜を対象としてバイオテクノロジーを中心とする基礎的・先導的な研究を進める我が国最大の農業分野の基礎生命科学研究所として、革新的な農業技術の開発や新産業創出に取り組んできました。独立行政法人化後の第1期、第2期中期目標期間では、イネやカイコのゲノム解読、ゲノム情報を活用した効率的な育種技術の開発、カイコやブタの遺伝子組換え技術の開発等の成果を上げています。2011年からの第3期中期目標期間では、生物研が強みとする研究を重点的に推進する体制を整備し、取り組んでいるところです。具体的には、遺伝資源やゲノム研究でのこれまでの研究蓄積を基盤として、次世代ゲノム育種法の開発、コムギや害虫のゲノム解読と利用技術の開発等により革新的な農業技術の開発を目指しています。また、これまでに開発したゲノム育種技術については、育種機関との連携を強化して普及を進めています。新産業創出につなげる研究においては、遺伝子組換え技術の実用化に挑戦しています。
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