イネゲノム研究とはなんですか?
イネは世界の半分の人々の主食です。イネのゲノム研究は、様々なイネの謎を解き明かし、おいしいお米を作り、世界中の人々の食糧を安定に供給する為に行われています。
イネが持つ染色体の1セットについて、塩基配列を解読するとともにその中にある遺伝子の構造やその機能を解明しようというのが、イネゲノム(=イネの遺伝情報)研究です。
平成10年、日本が中心になって世界中の研究機関が結成したプロジェクトが生まれました(IRGSP)。その目的は世界のイネ研究者に正確なイネゲノム配列情報を提供するもので、国の違いを乗り越え、研究資源・情報・技術の共有と様々な統一基準を作り、協調して行いました。
我が国は6本の染色体(全体の半数)を担当し、このイネ日本晴の全塩基配列を解読するプロジェクトの牽引車となって来ました。この様な規模のゲノムプロジェクトにおいて日本が中核的役割を果たす初めての例となりました。平成16年12月、国際コンソーシアムは当初の目的を達成し、完全解読を終了しました。
イネゲノム研究で明らかになった有用遺伝子は病害虫や環境ストレスに強い植物や機能性作物の開発、効率的な育種法の開発に役立てることができます。
現在、日本はイネのゲノム解析分野で世界をリードする研究を実施しています。イネゲノム研究で得られた情報は今後の地球環境問題や食料人口問題を解決する上で、その基本情報として非常に重要なものです。

イネの開花(左)とイネの実り(右)