研究成果はどのように発表されましたか?(2)
完全解読終了後、コンソーシアムはゲノムに存在する遺伝子の解析を行いました。コンピュータを用いた解析によると、イネゲノム上には37,544個の遺伝子が予測され、平均すると9.9kbに1個の割合で遺伝子が存在することが分かりました。これからは双子葉殖物でも見つかるもの、単子葉類だけで見つかるもの、ゲノム中に何度も繰り返して見つかるもの、全く機能のわからないものなど多くの情報が明らかになりました。遺伝子の機能を一つ一つ明らかにすることによってイネという生物の理解と育種への利用がさらに進むと期待されます。これらの成果はネイチャー誌2005年8月11日に掲載され、イネゲノム研究の一つの到達点となりました。

イネのゲノム塩基配列と、これまでに塩基配列が決定されたシロイヌナズナの塩基配列と比較すると、イネのタンパク質のうちの71%に相同と考えられる遺伝子がシロイヌナズナあることがわかりました。また、2859個の遺伝子が、イネや穀物である単子葉植物に特異的なものであると考えられました。また、ゲノムの中にオルガネラ由来の遺伝子が0.38%から、0.43%含まれており、核染色体への遺伝子移入は広範囲にわたって繰り返し生じていたことが分かりました。
種々の生物のタンパク質と相同性があるイネゲノム情報から予想されるタンパク質

参考資料:Nature (2005) 436: 793-800