グリーンテクノ計画の研究成果はどのようなものがありますか?(3)
トビイロウンカ抵抗性系統「関東IL2号」
トビイロウンカはイネの最も重要な害虫で、イネの汁液を吸います。この虫が多く発生すると、夏の終わりから水田の中に穴があいたように突然イネが枯れ込みます。古くはこの虫の大発生によって飢饉がもたらされたと言われています。
そこでイネの近縁野生種がもつトビイロウンカ抵抗性遺伝子(bph11)を、西南暖地の優良品種「ヒノヒカリ」にマーカー選抜で導入しました。導入した近縁野生種のゲノムは約600kb(ゲノム全体の約0.15%)です。
実験圃場で「関東IL2号」は実用的抵抗性を示し、他形質については「ヒノヒカリ」と同等であったので新品種候補になりました。

出穂期が違うコシヒカリの作出
「コシヒカリ」にインド型品種のもつ早生あるいは晩生遺伝子をマーカー選抜で導入しました。その結果、出穂期の異なるイネ、すなわち、収穫期が異なるイネ を作り出すことに成功しました。これらのイネは収穫時期が異なっていますが、コシヒカリと同様に良い食味を持つものです。コシヒカリ関東HD1号は水稲新 品種20119号に登録されました。
詳しくはくろっぷニュース24を参照してください。
