国立研究開発法人農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター
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QⅧ-16 | 遺伝子や遺伝子組換え食品を食べ続けても大丈夫ですか? |

全ての生き物にはDNA(遺伝子の本体)が含まれて、我々は日々『遺伝子(DNA)を食べて』います。しかし、通常食べられた他の生物の遺伝子がそれを食べた人や動物の体に残ることはありません。食べたものは、胃や腸の中で消化・吸収され、もとの遺伝子の形をとどめないからです。 組み換えられた遺伝子もその他の遺伝子と全く同様に消化・吸収されます。
留意すべき点は、遺伝子組換え農作物に新たに導入したDNA(遺伝子)が作るタンパク質の性質です。タンパク質は栄養素ですが、時にはアレルゲンやタンパク毒になるものもあります。
商業利用される遺伝子組換え農作物では、新たに作られるタンパク質の毒性や分解性などについて評価され、安全性が確認された問題のないものが流通します。
ある種の有機塩素系化合物や重金属のように、食べると消化管から吸収されて体内に蓄積する物質の場合は、一度に摂取する量がたとえ微量であっても、人が長期間食べ続けたときの影響を検討しなければなりません。
遺伝子組換えによって新たに作られるタンパク質が、DNA同様、消化されてしまえば、体内に蓄積してあとから悪影響を及ぼすことは考えられません。