国立研究開発法人農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究センター
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QⅧ-17 | ブラジルナッツの遺伝子を導入した遺伝子組換えダイズがアレルギーを引き起こすという話を聞いたのですが、詳しく教えてください。 |

ダイズは栄養価の高い作物とされていますが、含硫アミノ酸(メチオニン、システインなど)がやや低いため、そのアミノ酸含量を高めるために、ブラジルナッツの2Sアルブミンをダイズで作らせようと計画されました。 ただし、ブラジルナッツに対して、少数ですがかなり強いアレルギーを起こすことが知られていたので、その原因物質を明らかにするように、米国食品医薬品局(FDA)から指導を受けました。
検討の結果、2Sアルブミンがアレルギーの原因物質だと言うことが分かり、その開発は中止されました。
安全性評価において、遺伝子供与体(この場合、ブラジルナッツ)にアレルギーを起こすことが知られている場合、その原因物質を明らかにすることが求められており、これにより、新たなアレルゲンを持ったダイズの開発を中止したことは、安全性のチェックシステムが有効に働いた例といえましょう。