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た行

第1世代遺伝子組換え作物
【用語説明】  病害虫抵抗性、除草剤耐性などの遺伝子組換え作物のこと。
とくに農業生産者の栽培簡略化や生産のコストダウンが目的として、開発された組換え作物を指す。
第2世代遺伝子組換え作物
【用語説明】  健康維持・増進などの目的で作られた機能性の遺伝子組換え作物(栄養改善やワクチン効果のある作物)のこと。
タンパク質(Protein)
【用語説明】  生物の体を構成している主な成分であり、細胞の主成分でもある。また、生きていく上で非常に重要な機能を果たすのがタンパク質である。
 例えば、人間であれば筋肉や内臓などの構成成分であり、皮膚の色やお酒に強いか弱いかなどの性質を決めているのもタンパク質である。さらにホルモン、酵素、コラーゲン、ケラチンなど生物活動を担うタンパク質は10万種類以上もある。このように個々の組織や機能ごとに共通して必要なタンパク質もあれば、異なった種類のタンパク質もある。これは、タンパク質の種類によって働き方が違うからである。
 タンパク質はアミノ酸という物質が長く鎖のようにつながったものであるが、このアミノ酸の並び方でタンパク質の種類が違ってくる。そのため、生命活動の必要性に応じて、どのようなタンパク質を作ればよいのかは、細胞の中にあるこのアミノ酸の並び方を決めている遺伝子が命令を出している。
タンパク質合成(Protein Synthesis)
【用語説明】  生物の体を形成しているタンパク質は細胞核内のDNAの一部である遺伝子の情報をもとに作られている。遺伝子情報は、タンパク質を形成しているアミノ酸の配列情報のもととなる。タンパク質は細胞核の外で合成され、タンパク質の合成には転写と翻訳、2つの過程が必要になる。この過程をタンパク質合成という。
 まず、遺伝子の情報が、細胞核内でコピーされ、mRNAという分子になる過程を転写といい、このmRNAが細胞核外の細胞質へ移動する。次に転写により写し取ったmRNAの遺伝情報(アミノ酸の配列情報)をもとに、リボソームという細胞小器官でアミノ酸が結合され、タンパク質が合成される。この過程を翻訳という。このようにしてDNA上にある遺伝子の塩基配列からタンパク質が作られる。
チミン(Thymine)
【用語説明】  DNAはリン酸、糖(D-デオキシリボース)、塩基から成るヌクレオチドがいくつもつながり形作られる。その塩基の成分にはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種類が存在するが、チミンはそのうちの1つである。
 DNAの二重らせんのなかではアデニン(A)と結合し、遺伝子設計図の化学物質の1つを担っている。また、DNAの遺伝情報がRNAに転写される際に、チミンの部位は、ウラシル(U)という塩基に置き換わる。
DNAシーケンス(DNA Sequence, Deoxyribonucleic Acid Sequence)
【用語説明】  DNAの塩基配列そのもののこと。動詞としては、DNAの塩基配列を決定する行為を指す。また、DNAの構成成分アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4つの塩基配列を決定することを単に、シーケンスともいう。
 最近では、塩基配列を自動的に決定する機械、DNAシーケンサーが使われ、ゲノム解析で威力を発揮している。
DNA複製(DNA Replication, Deoxyribonucleic Acid Replication)
【用語説明】  遺伝子本体である二本鎖DNA(親DNA)とまったく同じ二本鎖DNA(娘DNA)を2つ作ること。
 真核生物では絶えず細胞分裂が行われ、新しい細胞と古い細胞が入れ替わっている。
 DNA複製の起こる時期は、この細胞が分裂される分裂期と次の分裂までの間で、DNA複製により細胞の内容が変化しないよう保たれている。
 DNA複製の際にはDNA(親DNA)を構成する二本の鎖の一部がほどけ、各々の一本鎖に新しく合成されたDNA鎖が結合し、DNA二本鎖(娘DNA)が完成する。DNAの二本鎖の間は、塩基と塩基が頭をつきあわせてアデニン(A)とチミン(T)、グアニン(G)とシトシン(C)というように決まった組になっているので、複製後の2本のDNAは親DNAと同じ塩基配列をもち、半保存的に複製される。
DNAマーカー(DNA Marker, Deoxyribonucleic Acid Marker)
【用語説明】  生物がもつDNAの塩基配列上の特定の位置に存在する個体の違いを表す目印(マーカー)のこと。
 DNAはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4つの塩基が連なってできているが、この塩基の並びの目印となる特定の塩基配列をDNAマーカーという。
 染色体の中にある遺伝子の位置を決定するときや、植物の品種識別など(イネ、イチゴなど)の、あらゆる分野にDNAマーカーが利用できる。また、DNAマーカーを用いて、ゲノム全体の地図を作成することも可能である。
DNAメチル化(DNA methylation)
【用語説明】  DNAの一部の塩基にメチル基を付加するDNA修飾の一種。ただし、塩基配列そのものは変化しない。メチル化された塩基が多い遺伝子はmRNAへの転写が抑制されることが多くの生物で知られている。塩基配列が同じままで遺伝子の働き方の変化が遺伝するエピジェネティクスの一種として、メチル化された塩基の情報が複数世代に伝達する例もある。新しい育種技術の一種としても利用される。
デオキシリボ核酸(英語)
【略語・別称】DNA
【用語説明】  DNAのこと。
 その生物がもつ遺伝情報を規定する化学物質で、DNAは2本の鎖が逆方向に合わさってできた二重らせん構造をとっている。
 DNAとヒストンタンパク質などが巻きついて太くなった構造を染色体という。
 DNAの単位はヌクレオチドと呼ばれ、塩基、糖(D-デオキシリボース)、リン酸でできている。塩基には、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種類があり、この4種類の並び方で、遺伝情報を規定している。
転移RNA(transfer RNA, Transfer Ribonucleic Acid)
【略語・別称】tRNA・運搬RNA
【用語説明】  一般に略称でtRNAと呼ばれている。遺伝情報からタンパク質が合成されるときに、アミノ酸をリボソームに運ぶ役割をもつ。
 DNAの情報をもつmRNAの遺伝暗号(1つのアミノ酸を指定する3つの塩基組の配列=コドン)に従い、tRNAがアミノ酸を1つずつ運んでくる。このようにして運ばれたアミノ酸がいくつも結合し、タンパク質が作られる。
転移因子(transposable element(transposon))
【略語・別称】略語
【用語説明】  ゲノム上を動く(転移する)ことのできる塩基配列のこと。
ゲノムから切り出されてゲノム上の他の場所に挿入されるタイプと、ゲノム上に残ったままコピーがゲノム上の他の場所に挿入されるタイプがある。元来は前者をトランスポゾンと呼ぶが、両方含めてトランスポゾンと呼ぶ場合もある。
電気穿孔法(英語)
【略語・別称】エレクトロポレーション法
【用語説明】  エレクトロポレーション法ともいわれ、電気の刺激を利用して有用遺伝子を目的の植物細胞に直接入れる方法。
 手順としては、目的の植物細胞の外側を囲む細胞壁を酵素で溶かし、細胞壁を取り除いた細胞(プロトプラスト)にする。このプロトプラストと有用遺伝子を溶液に入れて、直流の電気パルス(数1,000ボルト/cmの高電圧で数10μ秒のパルス)をかけるとプロトプラストの細胞膜に短時間、小さな穴があき外液といっしょに遺伝子が導入される。このようにして有用遺伝子が、目的の植物のDNAに取り込まれ、組換え植物が完成する。
 また、交流電流をかけることにより細胞融合にも利用されている。
特定網室(英語)
【用語説明】  カルタヘナ法における第二種使用等を行うときの実験室(温室)の一つ。
 主に遺伝子組換え植物を屋外で栽培実験する前に、生育状況や環境影響などを評価するための研究施設として用いられる。特定網室は、以下の要件を満たすこととしている。
  1)外部からの昆虫の進入を最小限にとどめるため、外気に解放された部分に網その他の
   設備が設けられていること。
  2)屋外から網室に直接出入りすることができる場合には、出入口に前室が設けられて
   いること。
  3)網室からの排水中に遺伝子組換え生物等が含まれる場合には、当該排水を回収できる
   設備等を設置、又は床等が当該排水を回収できる構造。
 このほか遺伝子組換え生物などの付着・感染防止のための手洗いなど、遺伝子組換え生物などの拡散奉仕措置などに伴う取扱い方法などについて遵守事項がある。
突然変異育種(mutation breeding)
【用語説明】  遺伝資源の中に育種目標に適合する素材がない場合に人為的に突然変異を誘発して遺伝変異を拡大し、品種改良に利用する方法。変異の誘発方法としては、ガンマ線や粒子線ビーム等を用いた放射線照射、DNAの複製ミスを誘発させる化学物質を用いた化学変異原処理、培養することにより変異が誘発されることを利用した組織培養などが用いられる。