アグリ・ゲノム研究の総合的な推進 [(旧)食料供給力向上のためのグリーンテクノ計画] ― イネゲノム研究 ―
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DNAマーカーによる効率的な新品種育成システムの開発(〜平成18年度)
(略称:DNAマーカー、DM) |
1.趣旨
我が国の農業は、国際化の進展の中で早急に体質強化を図ることが求められており、安定多収性、高品質等の特性を有する作物の開発が急務となっている。このような状況を踏まえ、従来の育種技術を飛躍的に発展させる新育種技術の開発を目的として、平成6年度から、農業生物資源研究所を主査場所としてイネ、麦類、大豆等の7作物の特定形質を対象に「DNAマーカーを用いた新育種技術の開発」を実施してきた。
現在までにゲノム解析研究の成果を受けたイネについては、DNAマーカーをいもち病抵抗性選抜や出穂期制御へ応用する段階になったほか、主要な果樹、野菜、樹木等においても有用なマーカーの開発が進展し、有用形質の効率的選抜を可能にするDNAマーカー育種技術の有用性等が確認されたところである。この背景の下、DNAマーカーを各種作物の育種技術として育成事業に組み込み、国際化の進展に対応できる優れた品種開発を進めることが可能な状況になってきている。
そこで、平成14年度から、主査場所を農業技術研究機構(減 農業・食品産業技術総合研究機構)作物研究所に移し、「DNAマーカーによる効率的な新品種作出システムの開発」として組み替え拡充した。研究内容も新たなDNAマーカーの開発に加え、高精度マーカーの開発に取り組むとともに、従来の表現型による特性検定に替わるDNAマーカー選抜技術を組み込むことによって、省力的かつ効率的な育種事業である新品種育成システムの構築を進めることとする。さらに、平成17年度から、研究項目「(1)選抜マーカーの作出と新品種育成システムの開発」について、作物では作目別のチーム構成による推進体制をとり重点的に推進するとともに、家畜についてはプロジェクト研究「畜産ゲノム研究の加速化」に課題を移して実施することとする。
2.研究内容
(1) 選抜マーカーの作出と新品種育成システムの開発
@ イネ
A ダイズ
B 麦類
C 飼料作物
D 果樹
E 野菜・茶
(2) 高精度DNAマーカーの作出
3.達成しようとする主な成果
(1)イネ、ダイズについて、目的形質の新規のDNAマーカーの作出を進めるとともに、その目的形質遺伝子を導入した同質遺伝子系統を開発する。
(2)麦類、野菜、牧草、果樹、イネ、家畜等において目的形質の実用的なDNAマーカーを開発する。
(3)開発された効率的なDNAマーカー選抜技術を育種事業に組み込んだ新品種育成システムを構築する。
(4)イネ、ダイズ、麦類、野菜等について、高精度DNAマーカーとして近縁度の高い品種間でも利用可能なSSRマーカーや、1塩基配列に基づいた効率的な検出が可能なSNPsマーカーを用いる育種技術の開発とその利用を行う。
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