生物系特定産業技術研究支援センター

新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業

2006年度 採択された研究課題

トランスジェニックニワトリ作製のための生殖工学的基礎研究

研究代表者氏名及び所属

飯島 信司
飯島 信司
(国立大学法人名古屋大学大学院工学研究科)

研究実施期間

平成18年度~22年度(5年間)

研究の趣旨・概要

動物の染色体に安定に遺伝子を導入、保持するためには、遺伝子治療に使われるレトロウイルスベクターを用いるのが一般的である。しかし、この方法は小型の遺伝子にしか適用できず、生殖細胞や発生初期胚で遺伝子の発現が抑制されるという欠点を持つ。さらに万一の危険性を危惧する意見もある。
そこでこれらの欠点を補うためレトロウイルスのインテグラーゼをはじめとする遺伝子挿入に関与する酵素や遺伝子挿入のメカニズム、さらに遺伝子発現抑制メカニズムを解析する。次に精製したウイルスフリーのこれら酵素と導入DNAの複合体である人工ウイルスを試験管内で再構成し、この人工ウイルスをニワトリ受精卵や始原生殖細胞に導入する非ウイルス法によるトランスジェニックニワトリ作製法を開発する。
これにより、ニワトリを用いた治療用抗体や血清成分など有用物質の生産と、動物工場としての養鶏業の新しい展開、さらに他の家畜における胚操作と育種に資することを目的とする。

研究項目及び実施体制(()は研究担当者)

  • レトロウイルスのDNAインテグレーションメカニズムに関する研究
    (国立大学法人名古屋大学大学院工学研究科 飯島信司)
  • レトロウイルスサイレンシングメカニズムの解明
    (国立大学法人名古屋大学大学院工学研究科 飯島信司)
  • 人工ウイルスの作製
    (国立大学法人名古屋大学エコトピア科学研究所 三宅克英)
  • 始原生殖細胞や受精卵の試験管内培養とトランスジェニックニワトリの作製
    (国立大学法人名古屋大学大学院工学研究科 西島謙一)

研究のイメージ

トランスジェニックニワトリ作製のための生殖工学的基礎研究