【豆知識】

防除方法・殺虫方法

家庭での食品害虫を防ぐ心構え3箇条

掃除をこまめに

食品害虫の発生を抑えるためには清掃が重要です。害虫の餌となる食品やその屑が戸棚や食品容器の周りに落ちていると発生源となります。

低温と乾燥に虫は弱い

食品を保管する際は低温が効果的です。温度が15℃以下になると多くの食品害虫の発育や繁殖が抑えられます。ただし、この温度では殺虫はできません。湿度は50%以下に抑えると、カビの発生や虫の発生を抑えられます。低温保存には冷蔵庫が適しています。

密封して保管する

一度開封した食品は、虫が侵入出来ないようにしっかり蓋や封をして、密封性の高い容器に入れて保管します。特に、一度で使い切れなかった、香辛料、粉体食品(小麦粉、天ぷら粉、お好み焼き粉、ホットケーキミックス、ココア等)は要注意です。

「密封した容器に食品を入れ冷蔵庫に保管」が最も良い方法ですが、実際には全ての食品を冷蔵庫に入れる事は出来ないでしょう。常温であっても密封した容器に保管すれば、多くの場合は食品害虫の侵入を防ぐことが可能です。例えば、お米等を大量購入し長期間保管して食べる場合は、いくつかに分けて密封して保管することが大事です。

【上にもどる↑】 

米穀乾燥・調製・貯蔵施設での「5S+One」を導入したコクゾウムシの発生管理の考え方

収穫されたお米は、カントリーエレベーターライスセンターに出荷され、乾燥、調製、貯蔵、籾摺り、袋詰めされ、その後、貯蔵倉庫(15℃)で保管管理されます。コクゾウムシは、米の乾燥・調製・貯蔵施設で最も発生頻度が高い害虫であり、米の品質確保の上で防虫管理が重要です。

そこで、農研機構食品研究部門では上記の施設を主な対象に、コクゾウムシの発生管理の考え方として「5S+One」の導入を提案します。5Sによる環境整備に加え、コクゾウムシフェロモントラップを用いたモニタリングと捕獲(One)を定期的に行い、コクゾウムシの大量発生を予防する考え方です。詳細は、下記のパンフレットをご覧ください。

【上にもどる↑】 

米穀乾燥・調製・貯蔵施設での「5S+One」を導入したノシメマダラメイガの発生管理の考え方

5S(整理・整頓・清掃・清潔・習慣)は、害虫の発生源を除去する上で、ノシメマダラメイガの発生管理にとっても重要です。+Oneとして、ノシメマダラメイガの性フェロモントラップを用いた成虫のモニタリングと、段ボールトラップを9-10月に設置して、越冬する幼虫の捕獲を実施します。「5S+One」を定期的に行うことで、ノシメマダラメイガの大量発生を防ぎます。

フードチェーンHACCPの義務化が見込まれる中、乾燥食品貯蔵・加工施設でのノシメマダラメイガ混入対策の考え方としても適用することができます。

【上にもどる↑】 

殺虫方法

家庭で発生した食品害虫の殺虫方法

  1. 廃棄

    虫の発生した食品に直接殺虫剤を噴霧することは、健康のためにもお勧めできません。 たくさんの虫が発生している場合は、食品を廃棄するしかありません。

  2. 冷凍殺虫

    食品が少量で虫の発生が少ない場合は、冷凍殺虫することが出来ます。しかし、冷凍殺虫後、死体を食品から取り出す必要があります。小さな卵や幼虫を完全に取り出すのは難しいでしょう。
    こういった殺虫後の食品を食べる場合は、虫が完全に取り除けていないことを覚悟する必要があります。覚悟ができない場合は廃棄した方がいいでしょう。

  3. 高温殺虫

    昆虫類は60℃以上の温度で数分間処理をすると効果的に殺虫できます。しかし、冷凍と同様に虫の死体は残りますので、取り除く必要があります。

  4. 電気掃除機

    食品から発生したコクゾウムシが歩いている、あるいはノシメマダラメイガの成虫が飛んでいるといった場合は、「電気掃除機」で吸い取り、ゴミ袋ごと捨てるという方法が簡単です。
    数日間はこまめに吸い取ることで、成虫が新しい食品を食害したり、産卵したりすることを防止できます。

  5. 直接薬剤

    貯穀害虫に直接薬剤を用いる場合は、市販されているスプレーと呼ばれるエアゾール剤やゴキブリ用のくん蒸剤を使って殺虫できます。

  6. トラップ

    餌や性フェロモンを用いたトラップも市販されており、発生初期の貯穀害虫を発見することができます。
    ただし、性フェロモントラップが市販されている害虫種は限られていますので、殺虫という点では効果はあまりありません。

食品工場や倉庫で発生した食品害虫の殺虫方法

  1. くん蒸剤

    上記の家庭での殺虫方法の適用以外に、殺虫規模が大きい場合は、リン化水素(ホスフィン)というくん蒸剤の使用、ピレスロイド系や有機リン系の殺虫剤の使用が考えられるでしょう。
    こういった大規模な殺虫処理は、消毒会社に依頼することをお勧めします。

虫によって違う殺虫方法

  1. 先ずは調べる

    虫の種類が違えば、食害する食品も違います。食品の中身を食べる虫か、外側からかじる虫か、飛べる虫か、飛べない虫かで対処も違います。発生した虫の種類を特定することで、効果的な対処方法を選択できます。是非「貯穀害虫・天敵図鑑」で発生した虫の名前を調べてください。

【上にもどる↑】 

関連情報

【上にもどる↑】 

更新日:2019年2月18日