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コラム

2012.10.31 宮ノ下明大
ダニを誤食して起こるアレルギー症状


ダニは虫ではない
食品に混入した食品害虫を誤って食べてしまっても、健康被害が発生することは極めて希ですと私はこれまで述べてきました。過去に重大な健康被害が報告された事例は見当たりません。しかし、ダニに関しては誤食による健康被害が報告されています。生物分類学的にはダニはクモの仲間であり、昆虫ではありませんが、一般の方からみればダニも昆虫も同じに扱われるでしょう。やはり、このコラムでもダニの危害例を紹介しておかねばなりません。

論文からダニの誤食によるアナフィラキシー症例を1例紹介します(稲葉ら,2010)。アナフィラキシーとは、短時間で全身に発症するアレルギー反応のことです。


ダニを誤食
28歳の女性は、開封後常温保管したお好み焼き粉で、もんじゃ焼きを調理しました。調理中に少しずつもんじゃ焼きを食べていくと、喘息の様な症状に続いて15分後には嘔吐し、30分後には腹痛になったため緊急搬送されました。病院到着後、意識混濁があり顔面が腫れ全身に紅斑が見られました。点滴治療を受け症状は2時間後に改善しました。お好み焼き粉は数ヶ月前に購入したものでした。

お好み焼き粉とダニを対象にして女性のアレルギー反応を調べたところ、未開封のお好み焼き粉に対する反応は陰性で、ダニ抗原に対する反応は強い陽性でした。調理したお好み焼き粉からは1g当たり50匹のコナヒョウヒダニが発見されました。また、女性はアレルギー性の喘息や皮膚炎の病歴を持っていました。これらのことから、症状は、お好み焼き粉に発生したダニを誤食したことで起こるアナフィラキシーであると考えられました。

粉体食品は低温保管がお勧め
日本におけるダニの経口摂食によるアナフィラキシーの症例は、私が調べたところでは17例ありました。そのうち14例がお好み焼き粉であり、その他にはパンケーキミックスや小麦粉があります。お好み焼き粉はダニが発生しやすい粉体食品と言えそうです。発生したダニの種類には、コナヒョウヒダニ、ケナガコナダニが報告されています。

ダニ誤食による健康被害防止には、どうしたらいいでしょうか?過去の被害事例では、ダニアレルギーによる鼻炎や喘息等を持っている方に被害がありました。ダニアレルギーをお持ちの方は、粉体食品の保管には注意が必要です。ダニの混入や繁殖を抑えるため、冷蔵庫などの低温で保管することをお勧めいたします。また、最近は小分けした商品が販売されていますので、食べきりサイズで利用することも対策のひとつでしょう。



 
参考文献

  • 稲葉弥寿子ら(2010)お好み焼き粉に繁殖したダニによる即時的アレルギーの2例.日皮会誌,120(9):1893-1900.



 
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