【ワークショップ−1】
植物機能を利用した農作物中の重金属低減技術の開発

概要

日程: 10月6日(火)9:00〜17:00
10月7日(水)9:00〜12:00
10月8日(木)現地検討会8:00〜17:00
会場: つくば国際会議場(10.6-7)、生野銀山〜現地圃場(10.8)
共催: 中国科学院土壌研究所、アジア太平洋食料・肥料技術研究所
後援: (独)科学技術振興機構(日中共同事業)
使用言語: 英語

開催趣旨

アジア各国の経済発展にともない、カドミウムやヒ素などの有害物質による農耕地の汚染問題が広がりつつあります。この傾向はこの20年間顕著であり、土壌や作物の汚染が増加しています。これらのことにより人の健康や環境へのリスクが高まることとなります。

コーデックス委員会は米、小麦、野菜等の食品中カドミウム含量の基準値を作成しました。アジア各国では米が主食であり、水田土壌、米のカドミウム含量を減らすことが喫緊の課題となっています。最近、バングラデシュでは井戸の1/4がヒ素に汚染され、3000万人以上の人々がヒ素に汚染した飲料水を飲んでいることが報告されています。この問題はバングラデシュのみならず、中国、ベトナムなど飲料水を井戸水に頼っているアジア各国で深刻です。また、井戸水は灌漑水としても用いられているため、水田のヒ素汚染も懸念されています。

この国際ワークショップは作物中のカドミウムを減らすための効果的な植物機能の利用技術の開発を一つの目的とします。また、農業活動との関連で、ヒ素による水・土壌の汚染問題についてのアジア各国の現状の方向を行い、ヒ素汚染対策技術を考えることも目的としています。

コンビーナー

荒尾知人,牧野知之

口頭発表(招待講演)

10月6日(火)9:00〜17:00

  1. 汚染土壌から有害金属を除去するための有望かつ持続可能な技術
    Jean-Paul Schwitzguebel(スイス連邦工科大学ローザンヌ校、 スイス)
  2. 食用作物のカドミウムとヒ素濃度低減に向けた植物浄化管理技術
    Fang-Jie Zhao (ローザムステット研究センター、 イギリス)
  3. カドミウム高吸収稲を利用した汚染水田土壌の浄化
    村上政治((独)農業環境技術研究所)
  4. 重金属集積植物Sedum plumbizincicolaによる亜鉛及びカドミウム汚染土壌浄化後の根圏変化
    Longhua Wu (中国科学院土壌科学研究所、南京、 中国)
  5. ファイトレメディエーションに利用可能な遺伝子組み換えポプラの開発
    Youngsook Lee (浦項工科大学、 韓国)
  6. 浄化植物Eichhornia crassipesのカドミウム耐性機構
    Gilda C. Rivero (フィリピン大学、フィリピン)
  7. 作物のカドミウム吸収低減のための品種利用技術
    C. A. Grant(カナダ農業・農業食品局、 カナダ)
  8. 稲のカドミウム吸収の遺伝的・生理機構の解明
    石川 覚((独)農業環境技術研究所)
  9. 植物のカドミウム吸収における根機能の役割―根の組織構造に関して―
    Alexander Lux (ブラチスラヴァコメニウス大学、 スロバキア)
  10. ナスの接ぎ木栽培によるカドミウム吸収低減と根から地上部へのカドミウム輸送
    荒尾知人((独)農業環境技術研究所)
  11. バングラデシュのヒ素汚染した地下水が土壌ヒ素濃度と稲生産に与える影響
    John M. Duxbury (コーネル大学、 アメリカ)
  12. 植物、特に稲におけるヒ素吸収及び代謝機構
    Guo-Xin Sun(中国科学院生態環境研究センター、 中国)
  13. ヒ素汚染土壌のファイトレメディエーション
    北島信行((株)フジタ)

10月7日(水)9:00-12:00

  1. アジア地域におけるヒ素汚染の実態
    • 1) バングラデシュのヒ素汚染井戸水を灌漑利用した稲栽培―土壌・灌漑水・稲のヒ素汚染空間分布
      Md. Shahjahan Kabir (バングラディッシュイネ研究所、バングラディッシュ)
    • 2) タイの農耕地における土、水、植物のヒ素汚染
      Orathai Sukreeyapongse (タイ国土開発局国土開発研究所、 タイ)
    • 3) 台湾のカドミウム・ヒ素汚染土壌で栽培した稲品種の吸収特性と植物浄化
      Zueng-Sang Chen (台湾生物資源農業大学、台湾)
    • 4) 産業副産物を利用した汚染土壌からのヒ素溶出抑制
      Sang-Hwan, Lee  (鉱山開発会社石炭センター、 韓国)
    • 5) バングラデシュにおける地下水ヒ素汚染機構とヒ素の供給源について
      板井啓明 (愛媛大学)

現地検討会(シンポジウム後)

10月8日(木)

  • 兵庫県・生野銀山資料館見学
  • 稲を用いたファイトレメディエーションの現地試験地

  • 参加受付は終了いたしました。

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