【ワークショップ-2】
農林水産省委託事業
「食と農の安全確保のための多国間ネットワーク事業」による国際ワークショップ
地球温暖化に伴う農作物高温障害の発生,予測と適応戦略
概要
日程: | 10月6日(火)~9日(金) |
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会場: | エポカルつくば(つくば国際会議場) |
主催: | (独)農業環境技術研究所(MARCOシンポジウム2009、ワークショップ2) |
後援: | 日本作物学会、日本農業気象学会生態系プロセス部会 |
協賛: | 環境省地球環境研究総合推進費「S-5 地球温暖化に係る政策支援と普及啓発のための気候変動シナリオに関する総合的研究」 |
使用言語: | 英語 |
- 【印刷用】ワークショップ-2 概要とプログラム(9月7日更新)
(PDF・508KB)
- 発表者用ガイドライン(9月14日更新)
(PDF・24KB)
開催趣旨
温暖化や異常気象がイネ収量変動に及ぼす影響を解明・予測し、将来の適応技術の方向性を提示するためには、現在進行している温暖化の影響、特に高温ストレスが、実際の生産現場でどの程度起こり始めているかを的確に把握し、その程度がいかなる要因によって変動するかを知ることが重要である。これまで、不稔や品質の低下は気温との関係で検討されてきたが、同じ気温でも穂温やイネ群落内の温度が環境条件や栽培管理条件によって、場所ごとに異なることが近年指摘されるようになった。
本ワークショップでは、東・南アジア、環太平洋におけるコメ生産国において、どの程度温暖化影響が顕在化しているかを把握するとともに、温暖化影響に関する客観的な科学的データの蓄積を目的とした耕地環境の観測手法と解析方法に関するディスカッションを通じて、「国際的温暖化影響モニタリングネットワーク」の確立を目指す。さらに、各国の温暖化への対策状況を情報交換することによって、適応を見通した研究ネットワークへの基盤を形成する。さらに、モデル化研究との連携によって、将来環境における作物生産の脆弱性を評価し、適応のための方策を検討する。
コンビーナー
長谷川利拡,酒井英光
プログラム
10月6日(火)
カントリーレポート(高温ストレスの実態)
- 中国における高温障害研究:現状と展望
Tian Xiaohai(長江大学農学部、中国) - 気候変動条件下におけるインドのイネの生産性
Madan Pal Singh(インド農業研究センター、インド) - ミャンマーにおける稲作の現状と気候変動の影響
Tin Tin Myint Daw(ミャンマー農業研究所、ミャンマー) - アメリカの稲作の現状と気候変動の影響
Lee Tarpley(テキサスA&M大学、アメリカ) - 温暖化に対するスリランカの稲作の脆弱性
WMW Weerakoon(スリランカイネ研究所、スリランカ) - 台湾におけるイネの収量・品質に及ぼす高温の影響
Lur Huu-Sheng(国立台湾大学、台湾) - 日本における近年の温暖化傾向とイネの生育・収量
長谷川利拡((独)農業環境技術研究所)
イネ高温障害の国際的モニタリングネットワーク
- 温暖化影響モニタリングのための群落微気象観測システム
吉本真由美・福岡峰彦((独)農業環境技術研究所)
10月7日(水)
カントリーレポート(続き)
- オーストラリアにおける稲作の現状と気候変動の影響
Len Wade(チャールズ・スタート大学、オーストラリア)
気候変動の影響メカニズムと適応
- 温暖化環境にイネを適応させる:国際イネ研究所における現在および将来の研究活動
Tanguy Lafarge(国際イネ研究所、フィリピン) - イネの開花時高温耐性を高めるための生理学的、分子生物学的アプローチ
Krishna Jagadish(国際イネ研究所、フィリピン) - イネの開花時刻-品種間差異と気象条件の影響
小林和広(島根大学) - 開花期の高温ストレスへの耐性が強いイネの葯の特性
松井 勤(岐阜大学)
10月8日(木)
気候変動の影響メカニズムと適応(続き)
- 高CO2・高温に対するイネの稔実、登熟の応答
酒井英光((独)農業環境技術研究所) - 気候変動に対するイネの応答と適応戦略
Len Wade(チャールズ・スタート大学、オーストラリア)
気候変動への適応のための作物成長モデリング
- 新しい気候条件への作物の適応:モデリング研究の必要性
Michael Dingkuhn(フランス国際農業開発センター、フランス) - 温暖化による温度上昇がコムギ生産に及ぼす影響は過小評価されているか?
Senthold Asseng(連邦科学産業研究機構、、オーストラリア) - GECROSモデル-気候変動が作物生産に及ぼす影響評価への適用
Xinyou Yin(ワーゲニンゲン大学、オランダ) - 気候変動のための作物モデリングと育種プログラム
Scott Chapman(連邦科学産業研究機構、オーストラリア) - /EcoMeristem/を用いて様々な気候条件に対するイネ表現型の可塑性をモデル化する
Delphine Luquet(フランス国際農業開発センター) - ORYZA2000における発育特性のモデリング: 問題点と展望
Pepijn van Oort(ワーゲニンゲン大学、オランダ) - 気候変動に対するイネの応答・適応研究のための群落微気象モデルの開発と利用
吉本真由美((独)農業環境技術研究所) - マルチ気候モデルを用いた気候変化予測の不確実性がアジア域水稲収量予測に及ぼす影響の評価
澤野真治((独)農業環境技術研究所)
総合討論
10月9日(金)
総合討論
- グループディスカッション
- ラップアップセッション
閉会